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COVID-19 Quarterly Report 2022 Week 38(9/17−23)

22年9月23日時点での世界および日本の新型コロナの感染状況についてまとめた。ほぼ確実にヨーロッパで感染再拡大し始めたと言って良い。A章では統計から得られる情報のみで、ヨーロッパの感染がどのようになるかを推測し、B章では今世界のどこで感染が拡大しているのかを示す。E章では2週間ぶりに更新されたサル痘の感染状況を報告する。日本のことはF章で考察する。

A. 規制緩和で感染再拡大

次のグラフは大陸別の22年3期(7月2日~9月23日)の新規陽性数の推移である。

アメリカでは今期の初め(7月)から、オセアニアやアジアでは今季の中頃(8月)から新規陽性数は減少し始めている。アフリカやカリブ海では新規陽性数が他の地域に比べ極単に少ないので、グラフではよくわからないが、今期の初めから減少が続いている。しかし、ヨーロッパ東は今季の初めから増加が続いており、中旬以降は伸び率が下がった。そして、ヨーロッパ西は、初めは大きく減少していたが、下旬(9月)から増加し始めた。

A1. 規制緩和したヨーロッパでは感染者が自由に出入りできる

9月12日の時点で、ヨーロッパ西では、ルクセンブルグ(未接種者は入国不可)、オランダ、ドイツ(指定した国の渡航者は入国不可)だけが規制を敷いている。またスペインでは未接種者は入国前の陰性証明が必要である。他の国では入国に際し、ワクチン接種証明も、入国前の陰性証明も、どの国に滞在したかの申告も一切いらない。マン島などの領土については、情報が得られなかったが。恐らく本国と同様、つまり、誰もが自由に入国できると思われる。ということは、感染者も簡単に出入国できる、ということである。

ヨーロッパ東では、ロシア、ウクライナ、ベラルーシには退去勧告がなされており、入国条件は定かではない。アゼルバイジャンでは未接種者は入国禁止の措置が取られている、それ以外の全ての国では西同様規制解除されたので、やはり、感染者も簡単に出入国できる。

入国規制は全て非居住外国人に対する。その国の国民や居住外国人は未接種者でも入国可能である。またその後の変更があるかもしれないので、詳細は各国の日本総領事館などで確認されたい。

A2. ヨーロッパ東から移動?

下のグラフ行列はヨーロッパ西の主要国の 3期の新規陽性数と死者数の推移である。ほぼ地理的な隣接関係が成り立つように配置しているが、そのために方角が正しくないところもある。

ベルギー、オランダ、デンマーク、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、オーストリア、チェコ、ポルトガル、イタリア、スロベニアで、ここ数週間増加が続いている。伸び率はこのグラフからだと小さく見えるが、15〜30%ある。ポーランドとスロベニアは今週は増加しなかったが増加が続いていた。アイスランド、スイス、ギリシャは減少が続いている。ただし、スイスとギリシャはデータの締め切り後に修正をするので、陽性数は増加している可能性がある。

最も早く感染増加が見られたのはベルギーの34週目(8月20日~26日)である。その後2週間は減少したが、37週目から再び増加となった。37週目(9月10日~17日)は、オーストリア、ベルギー、ドイツ、ポルトガル、スペイン、そして、イギリスで増加となり、今週も続いた。フランス、ドイツ、ポルトガル、イギリスは伸び率も上昇している。フランスとオランダは36週から陽性数、伸び率ともに増加が続いている。イタリアとデンマークは34~36週目に増え、その後一旦減少になったが、38週目に増加となった。恐らく、来週以降増加が続くと思われる。

ポーランド、チェコ、スロベニアでは3期に入る前から増加中だった。一旦増加が止まったが、34~35週以降増加に転じた。これを見ると、ヨーロッパ東から、感染の波が押し寄せているようにも見える。主に、中央部で増加し、北あるいは南の方に離れると波が来ないようである。ギリシャでは減少が続いているし。ここには載せていないが、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドでも減少が続いている。

A3. アフリカから移動?

下の地図は34週の感染トレンドである。

この頃、ヨーロッパでは減少中ではあったがそのペースは下がっていた。一方、アフリカではチャド、ニジェール、マリが赤レベルだった。この3国はフランスの植民地だったので、今でもフランスとつながりが強い。またフランス海外領土のうち、グアダルーペ、マルティニク、マヨット、セントヘレナ、サンマルタンでも急増が見られた。フランスはこの時点ですでに入国規制解除をしていたので、旧植民地や海外領土から多くの感染者が入国したと考えられる。そしてフランスから、ヨーロッパに広がったとも考えられる。実際にフランスから遠いところでは、養成数が減少中である。

ヨーロッパ東からでも、アフリカからでも、ヨーロッパでは誰でも自由に移動できるので、感染者も同様に移動できる。症状があれば、自主的に隔離するだろうが、症状がなければ、感染対策などせず勝手気ままな行動をとるだろう。もうすでに忘れている人の多いと思われるが、既往症を持つものが感染すると、悪化しやすい。

A4. 新種?

今の所、新種ウイルス発見の報は聞かない。しかし、オミクロン株だけでヨーロッパの人口の26%が感染した。陰性の感染者も含めれば、ヨーロッパでは40%がオミクロン株に感染していると推測される。したがって、いまさらオミクロン株である可能性は低く、新種や更なる変異種である可能性が高い。日本ではようやくBA.5型の感染が終息しつつあるところであるが、入国規制解除をし、オミクロン株対応のワクチンが、新種にどこまで対応するかは未知数なので、感染が再拡大する可能性もある。

B. ヨーロッパで感染拡大中


QRは最近の傾向と近い将来の予測に、直近数週間の陽性数の増減と伸び率の増減を使った確率モデルを用いている。その結果をトレンドとして、茶、赤、橙、黄、緑、青、薄青、白の8つのレベルに分類している。赤が最も感染拡大の可能性が高く、この順に拡大の可能性が低くなる。茶は今週突然に急増したところで、拡大する確率は50%ほどである。

下の地図は最新のトレンドである。凡例の( )内が各レベルに属する国地域の数である。

まず、ヨーロッパではフランスとオランダが先週から引き続き赤レベルを維持している。リヒテンシュタインは橙レベルに下がった。新たにドイツ、イギリス、ポルトガル、オーストリア、丸太が赤レベルとなった。イタリア、スペイン、ベルギー、ジブラルタル、モナコでいい露レベルの増加となった。デンマークとサンマリノで橙レベルの増加となった。フランスやスペインなどスイスを除く中央部が拡大中で、そこから離れるとまだ減少中のところが多い。

ヨーロッパ東では、チェコとスロベニアが先週から引き続き赤レベルである。ポーランドよウクライナは橙レベルに下がった。新たに、ラトビアとエストニアが赤レベル、ハンガリー。スロバキアが橙レベルの、リトアニアとモルドバで新たに黄色レベルの増加があった。しかし、その他の国では養成数が減少に転じたり、伸び率が下がっている。

アジアではミャンマー、バングラデシュ、カタールで先週から引き続き赤レベルになっている。サウジアラビアとキプロスでは橙レベルに下がった。新たに、ブーヤンとバーレーンが赤レベルになった。またクウェートでは茶色レベルの急増、ウズベキスタン、フィリピン、モンゴル、カンボキア、イスラエル、イラクで黄色レベル、シンガポールでは橙レベルの増加となった。

アフリカで先週赤レベルだったレソトとボツワナ、茶色レベルだったガンビアとソマリアが橙レベルに下がった。しかし、新たにジンバブエ、セントヘレナ、トーゴ、ガーナで新たに赤レベルの増加、ブルンジとコンゴ民主では茶色レベルの急増、マヨット、モーリシャス、マラウィ、エスワティニ、チャド、中央アフリカ、セネガル、リベリア、赤道ギニア、モーリタニアでは黄色レベルの急増となった。

アメリカ南北カリブ海では、先週赤レベルだったスリナム、ケイマン諸島、セントクリストファーネイビス、モンセラートは全て橙レベルに下がった。赤レベル茶色レベルの急増はなかった。ベリーズ、サンピエールミケロン、エクアドル、亜ンティグアバーブーダで黄色レベルの増加があった。

オセアニアではパプアニューギニアとミクロネシアが赤レベルから橙レベルに下がった。この2国以外は全て減少傾向である。

C. 新しい株は治療を長引かせる可能性がある。


22年38週の世界の新規陽性数は 313万9006人だった。前週比5.3%減で、これで8週連続の減少となった。37週の死者数は1万0400人だった。前週比13.1%減で、6週連続の減少となった。。下のグラフは22年の世界の感染図である。

C1. 陽性数は日本、率はセントヘレナと台湾

下の表は37週の新規陽性数のランキングである。国名、地域、Worldometer の累計陽性数順位、今週の陽性数順位(赤字は順位上昇、青字は下降)、感染率、今期の陽性数、今期の陽性数ペースの前期からの伸び率(マイナスは減少)、今週の陽性数、今週の人口100万人あたりの1日平均の陽性件数、今週の陽性数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続陽性数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX は陽性数同数の週数、zXXは陽性数0の週数、zzz等は2年以上陽性数0)、トレンド(色訳はB章の地図と同じ)、今週の死者数順位、今期の死者数、今期の死者数ペースの前期からの伸び率(マイナスは減少)、致死率、今週の死者数、今週の人口100万人あたりの1日平均の死者数、今週の死者数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続死者数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX はXX週間死者数同数、zXXはXX週間死者数0、zzz等は2年以上死者数0)である。

1位の日本は43万0531人の新規陽性の確認があり、先週よりも28.9%減少させたが、アメリカも韓国も大きく減らし、9週連続で1位となった。22年の連続1位の記録をさらに更新した。ロシアが前週比2%増の37万0855人で韓国を抜いて3位に上がった。台湾とドイツも韓国を抜いて4位、5位になった。韓国は6位に下がった。日本の大幅減少は来週以降も続くと推測されるが、ロシアは来週も増加の可能性が高く、恐らく日本に代わって世界1位となるだろう。日本はドイツにも抜かれて4位になる可能性が高い。


38週は49国領土で陽性数が先週より増加した。37週に比べ25国領土少なくなった。サンピエールミケロンで6週間ぶりの新規陽性が確認された。サンピエールミケロンを含め9国領土で伸び率無限大だった。無限大以外で伸び率が最も高かったのはセントヘレナの2496.0%増だった。一方、128国で陽性数が減少した、北キプロスでは今週のデータが発表されなかったので、陽性数は0だった。北キプロスを含めて26国領土で陽性数が0になった。ジトルクメニスタン、ピトケアン、トケラウは今までの陽性数が0をであり、西サハラは2年以上、セントヘレナは1年以上陽性者が出ていない。バチカン、フェロー諸島、エジプト、グリーンランド、ニカラグアでは3ヶ月以上新規陽性数0が続いている。

22年3期の陽性数は6189万4565人になった。陽性数の伸び率は下がっているので、早ければ来週は陽性数が増加となる可能性も考えられる。今までの累計累計陽性数は6億1651万8073人となった。世界でこれまでに7.7%が新型コロナに感染したことになる。

人口100万人あたりでは世界で1日に平均して56.3人の陽性患者が確認された。次の表はそのランキングである。

先週1位2位のモンセラートとミクロネシアは揃って今週の新規陽性数は0だった。代わって1位になったのはセントヘレナで3万0313.6人だった。過去最高だったフォークランドの3万6171.8人(19週)に惜しくも及ばず、歴代2位の記録である。2位は台湾が1681.5人で先週の3位からアップした。陽性数伸び率1位のサンピエールミケロンが1420.8人て3位だった。1000人以上はこの3国だけだった。100人以上はこの3国を除いて45国ある。

C2. 死者数はアメリカ、人口100万人あたりでは香港

次の表は22年38週の死者数のランキングである。

先週1位のアメリカの今週の死者数は3956人だった。前週比1.7%増で、これで3週連続の増加となった。また、死者数1位の座を42週連続で維持した。新規陽性数も治療中の者の数も減少が長く続いているが、その中で死者数が3週以上に渡って、10%以上増加するケースは過去に例がない。何かがあったとも考えられる。しかし、アメリカはいつもデータを修正しているので、来週の今頃には何もなかったとなっているかもしれない。

2位の日本は830人で先週よりも33.4%減少させたが、まだまだ2位の位置にいる。先週3位のギリシャは9月16日の累計死者数が3万3864人だったが、23日は3万3010人と854人も減少した。集計上のミスか死因の変更かは不明である。そのせいで、先週の死者数を995人(3位)から105人(22位)へと修正した。今週は先週は51人(26位)さらに減少した。それに伴いロシア、ドイツの順位がひとつづつ上がった。

ヨーロッパの国々は順位が上がっているところも多いが、多くの国では今週の死者数は先週よりも少なくなっている。しかし、アジアでは日本を除いて死者数が増えている。特に香港は前週比243.1%増だった。

38週は38国領土で死者数が増加した。先週よりも5国領土少なくなった。ラオスで16週間ぶりに、ベリーズで15週間ぶり、マリで8週間ぶりに死者が出た。ラオス、ベリーズ、マリを含めて11国地域で伸び率が無限大となった。伸び率が無限大でないところの最高はミャンマーの150%増だった。マルタは5週連続で死者数が1人だった。マルタを含め8国領土では死者数は先週と同じだった。一方、78国で死者数が減少した。感染状況を更新しなかった北キプロスを含めて18国で死者数が0になった。

累計死者数が0のところはバチカンなど8国地域、西サハラは2年以上、ウォリスフツナとブルンジは1年以上死者数0を続けている。ベナンなど18国は半年以上死者数0が続いている。

22年3期の死者数は16万5326人となった。このペースでいけば来週にも2期の死者数を上回ると予想される。3期の致死率は0.27%だった。22年の死者数は104万9126人、累計の死者数は652万9286人で、累計の致死率は1.06%だった。

人口100万人あたりでは世界で1日に平均して0.19人の死者があった。次の表はそのランキングである。


今週最も多かったのが香港の4.6人だった。前週比243.1%増で、6週連続で死者数が増加している。ただし陽性数は減少が始まったと考えられるので、そろそろピークになる頃であろう。

C3. 治療者数はアメリカ、人口100万人あたりではケイマン諸島とコスタリカ

22年38週時点での世界での治療者数は1246万7818人いる。前週比で5.1%の減少だった。今週は38週間治療者数が増加し続けたスリナムで治療者数の公表ををやめた。現在は15国領土で治療者数を公表していない。治療者数は Worldometer では Active、つまり、治量を続けている感染者の数、現在隔離されている(はず)の者の数である。したがって、少なくとも1246万人が世界のどこかで隔離されているということである。次のグラフは世界の22年の治療中の者の数と新規陽性数の推移である。

下の表は今週の治療者数のランキングである。リストは国名、地域、今週の治療者数、その人口100万人あたりの1日平均、その前週比伸び率、連続増減週数、長期治療中の者の数(青字は先週より減少)、その治療者数に対する割合、今週の重症者数、その前週比伸び率、連続週数増減、今期の回復者数、その前期比伸び率、今週の回復者数、その人口100万に当たりの1日平均、その前週比の伸び率、連続週数増減で構成されている。

先週一位のアメリカは先週比9.9%減の235万4831人が現在治療中で世界1位をキープした。二位韓国は前週比25.7%減の95万8213人で、29週以来ほぼ2ヶ月ぶりに治療者数が100万人以下になった。先週3位の日本は前週比19.4%減の74万6741人で6位に下がった。代わって、ベトナム、ポーランド、台湾がそれぞれ3、4、5位になった。ベトナムは治療者数の現象が25週に伸びたが、ペースはかなり下がった。ポーランドと台湾はまだまだ増え続けている。

69国領土で治療者数が増加した。先週よりも12国領土多くなった。伸び率が最も高かったのはセントヘレナの2360%増だった。セントヘレナも含めて4国領土で伸び率が100%以上だった。50国で今週の治療者数は先週と同じだった。また89国領土で治療者数が先週から減少した。アンギラで治療者数が0になった。バチカンでは24週間、西サハラでは23週間、北朝鮮では8週間、マカオでは3週間、フォークランドでは2週間治療者数0が続いている。また、トルクメニスタン、トケラウ、ピトケアンでは感染者が出たことがない。

ギアナでは90週以上治療者数が増え続けている。サンマルタンは今週は先週と治療者数は同じであったが、74週間以上治療者数が減らない。ウガンダとチャドでは1年以上、ウォリスフツナ、ケイマン諸島で、ソマリア、サモア、ポーランド、モルジブでは半年以上、治療者数が前週を下回ったことがない。また、グリーンランドなど41国領土で先週と治療者数が同じであった。グリーンランドは26週連続(38週減少なし)、ニカラグアは23週連続(91週以上減少無し)、エジプトは22週連続で治療者数が変わらない。

人口100万人あたりでは世界の1日平均の治療者数は1566.5人だった。下の表はそのランキングである。

最も多いケイマン諸島では、人口100万人あたり1日平均で32万5637人の治療者がいる。先週よりも少なくなった。これは、治療者数は先週と同じ2万1961人だったが人口が増えたことが原因である。22年3期に10万人以上の新規陽性数を出したところでは、コスタリカの3万9019.4人が最も多い。

ケイマン諸島、サンマルタン、ギアナ、セントヘレナ、グリーンランド、サンピエールミケロン、ジブラルタルで人口100万人あたりの治療者数が10万人以上、つまり人口の10%以上が隔離されている(はずである)。何も海外領土であるが、本国に比べて対策がおざなりになっているのだろうか。

C4. 長期治療者数はベトナム

22年26週(7月1日)以前に感染して、今なお治療を続けている者の数は世界43カ国に196万4399人いる。先週に比べて総数も前週比で10%減少した。下の表は38週の長期治療者数のランキングである。

長期治療者数が最も多いのがベトナムの67万4084人である。前週比で10.2%の減少となった。現在治療中の者の中で、この長期治療者の割合は80%以上になる。

ランクにはアフリカ(6)とカリブ海沿岸(7)の国領土が多い。もしかしたら、この地で流行している株は、日本や世界で流行していた株とは違って、より長期化するものだった可能性も考えられる。

青字は長期治療者数が減少したことを意味する。ベトナム、アルジェリア、ジャマイカ、エチオピア、レソト、スーダンでは超過陽性が減少した。

21年12月31日以前に感染して、今まで9ヶ月以上治療を続けていてもまだ治っていない患者はアルジェリア(2万9908人、ー20)、ギアナ(3万7344人、−49)、ウガンダ(3万7012人、±0)、ケイマン諸島(254人、±0)、ニカラグア(1万3050人、±0)、ソマリア(9017人、±0)、サンマルタン(2793人、±0)、レソト(3001人、±0)、チャド(648人、±0)、ウォリスフツナ(9人、±0)の10国領土に計13万3106人いる。アルジェリアとギアナでは長期治療者数が減少したが、他の国では変わらない。

C5. 重症者数はブラジル、正しく数えている重症者数はアメリカ

37週の世界の重症者数は4万0128人で、先週よりも1.3%減少した。6週連続の減少であるが、減少率は低くなっている。来週には死者数ともども重症者数も増加になる可能性がある。次のグラフは22年の重症者数と死者数の推移である。


下の表は今週の重症者数の多い国領土のランキングである。

重症者数が最も多いのはブラジルである。10週以上重症者数の変わらない国領土は重症者数を正しく数えていないとみなして、重症者数を正しく数えていると思われる国領土で最も重症者数の多いのがアメリカで、ついで、ポーランド、ドイツ、バングラデシュ、フィリピン、韓国、アルゼンチンの順になっている。

カタールで7週間ぶりに、バハマで4週間ぶりに重症者が出た。この2国を含め14国領土で重症者数が増加した。ポーランドでは1000人近く重症者数が増えた。新たに感染した者の中に多くの重症がいたのか、すでに長く治療をしている者が重症になったのかは不明である。

一方、22国領土で重症者数が減少した。ニュージーランドなど20国領土で重症者数0が続いている。

また、111国領土では重症者数が先週と同じだった。中央アフリカ、タンザニア、ボツワナ、リベリア、カボベルデ、イエメン、ロシア、グアテマラ、ブラジルでは、2020年末から重症者数はずっと同じままである。メキシコなど14国で1年以上重症者数が同じままである。重症者の面子が全く変わらない(ずっと治らない)とか、重症者が治るか亡くなるかして減少すると同時に同じ数だけ重症者が増えるとかは考えにくいが、あり得ないことではない。重症者を受け入れる施設が限定されていて、本当はもっと多くの重症者数がいるにもかかわらず、収容できないので、収容した分だけ発表している可能性もある。もしかしたら、いい加減に数えているだけかもしれない。

C6. 回復者数は日本、人口100万人あたりでは韓国

38週の世界の回復者数は370万7011人で、先週よりも28.0%減少した。これで6週連続の減少である。今週は先週に比べて新規陽性者数が少なくなったので、回復者数も少なくなったと考えられる。先週まで1314万1350人が治療中だったところに、新たに319万9006人が陽性と確認された。したがって、今週の回復者の割合は約22.7%になる。しかし、回復者の割合は37週は26.1%、36週は26.2%なので4%ほど低くなった。1~2週間前に感染したが、まだ回復していないケースが増えたと考えられる。実際に今週は治療者数が増加した国領土の数も増えている。新しい株は回復するのに時間がかかる可能性が考えられる。下のグラフは新規陽性者数と回復者数の推移である

22年3期は6829万8862人が回復した。同期の新規陽性数は5857万8410人で、26週の治療者数は1716万5009人なので、回復者の割合は90%になる。今までの累計の回復者は、6億0028万9242人で、6億人を超えた。今までの全ての感染者のうち96.9%が回復したことになる。

下の表は36週の回復者数のランキングである。

セルビアとコソボの新規陽性数と死者数はGoogleで確認できるが、治療者数は発表していないので、この項目だけ合算である。他は、別々に計算している。キプロスと北キプロスも同様である。

先週1位の日本では38週に60万9658人が回復した。前週比40.1減と大きく減らし、31週(7月30日~8月5日)以来維持してきた1位の座をアメリカに明け渡した。アメリカも減少したが、率は11.8%と日本に比べ少なかった。新規陽性数の増えているロシア、台湾、香港では回復者数も増えているので、新規陽性数の増加もすぐに止まると思われる。しかし、ドイツ、イタリア、フランス、オーストリア、イギリスでは回復者数が減少しているので、さらなる陽性者数の増加が見込まれる。

47国領土で回復者数が増加した。イエメンでは5週間ぶりに回復者があった。イエメンを含めて、6国で伸び率が無限大になった。無限大を除いて最も伸び率が高かったのはトーゴの238%増だった。マラウィとニウエの回復者数は先週と同じだった。また。108国領土で回復者数が減少した。そのうち20国領土では回復者数が0になった。一般的に回復者の減少率が大きいところの方が新規陽性数が増えている傾向がある。

また、ニカラグアでは90週以上、セントヘレナとウォリスフツナでは50週以上、ギアナとサンマルタン、チャドでは39週以上、モルジブとグリーンランドは39週間回復者数が0である。また、ソマリアなど20国領土で3ヶ月以上回復者が0である。また15国領土で治療者数を公表していない国は回復者数の計算ができない。

下の表は最新の人口100万人あたりの回復者数のランキングである。

先週1位の韓国は38週の人口100万人当たりの回復者数が1611.5人で、先週より20%減少したが、1位を維持した。2位は台湾で先週に比べ22.9%増加し、1275.6人だった。



C7. 拡大係数はポーランド


拡大係数は、直近3週間の新規陽性数を直近3週間の回復者数で割った値である。規制解除が進むにつれ、新規でない陽性者、つまり現在治療中の者でも、症状がなければ、市中に多く出てくる可能性が高くなるので、新規陽性以外にも治療者数を考慮した。拡大係数が1以上なら回復者数が少ない、つまり、感染拡大、1未満なら、回復者数が多い、つまり、感染が減少していることを意味する。特に、拡大係数が無限大は回復者がいないのにもかかわらず、新規陽性患者が増えているということである。世界の拡大係数は0.79である。

ヨーロッパ西の拡大係数は0.91であるが、先週は0.73で、9月に入ってから上昇を続けている。

下の表は拡大係数のランキングである。

ポーランドをはじめ23国地域が拡大係数が無限大となっている。無限大以外でもっとも拡大係数が高いのはミクロネシアの190.3人である。

D. アメリカで謎の接種回数拡大


38週は世界83国領土で2657万3114回接種が行われた。例によって、37週のデータを締め切った後で、アフリカを中心とした29国領土で接種回数の更新があり、37週週の接種回数は前回発表分の3082万1597回から3250万7591回に、接種国領土数も80から101にふえた。修正後は18.3%の減少で、これで5週連続で減少になった。

また、世界71国領土で1842万3780回でブースターが行われた、総接種回数の69.3%がブースターだった。ブースターも前週比で22.9%の減少だった。ただし、Githubでは3回目と4回目以降の数字を合わせたものをブースター回数として発表しているので、ブースターを受けた人数はこれよりも少なくなる。次のグラフは世界の22年のワクチン接種回数(赤)とブースター回数(茶)の推移である。


22年3期の接種回数は6億1205万4164回、ブースターは3億8232万6089回となった。接種回数は前期比で17.4%減だが、ブースターは44%増だった。また、今までの総接種回数は127億0505万4889回、ブースターは25億0344万0256回勘定になる。

今までに49億4359万5713人が接種を完了し、完了率は62.1%になる。また、過完了率は31.5%になった。完了者の約半分強が3回目以上の接種を受けている。世界では25億8574万3471人が一度も接種を受けていない。

D1. 接種回数はインド、人口100万人あたりではベルギー

次の表は22年38週のワクチン接種回数のランキングである。項目は国名、地域、完了率、未接種人数、22年3期の接種回数、その前期比伸び率、今週の接種回数、その人口100万人あたりの1日平均、その前週比伸び率、過完了率、22年3期のブースター回数、その前期比伸び率、今週のブースター回数、その前週比伸び率、拡大係数である。


先週1位のインドは38週に約1072万9731回の接種をした。先週より33.6%減少させたが、世界一位を維持した。2位のアメリカは前週比で61.9%増の339万1187回の接種をし、3位の日本は58.5%減の126万0791回接種した。

38週は46国領土で前週より接種回数が増えた。37週より19国領土多くなった。オマーンとアンギラで5週間ぶりの接種が行われた。オマーンとアンギラを含めて14国領土で伸び率が無限大になった。伸び率が無限大以外で最も多かったのはベルギーの2793%増だった。逆に71国領土で接種回数が減少した。シンガポールなど30国領土で接種回数が0になった。このうち、新都丸店、キリバス、モルジブ、アンティグアバーブーダ、コスタリカは3~5週間ぶりに接種が行われた場回であった。いわゆる戦士の句以外は2~3週間に一回接種が行われるようである。

38週の人口100万人当たりの接種回数は477.0回だった。次の表は22年37週の人口100万人あたりのワクチン接種回数のランキングである。


最も多いのはベルギーの9409.7回だった。ベルギーではA章で記述したように陽性数が急増している。おそらくそのせいで、今週は前週比で2793.0%の大幅増加となった。2位は香港で先週比4.9%減の3713.7回だった。

次の表は22年38週のブースター回数のランキングである。

前週1位はインドは前週比34.3%減の922万9592回、同2位の日本は58.7%減の122万9038回だったが、それぞれ1位2位を維持した。3位は先週比76.4%増の99万9352回のブースターをしたアメリカだった。

インドはほぼ半年感ブースター回数1位を維持しているが、過完了率はわずか14.1%である。未接種社数も一番多い。

D2.デンマークでは接種者がいなくなる

QRでは Github の各国のデータの一番下の行の、Total, People, Fully, Boosterの数値を機械的に読み込んで、前週の分を引いて、今週の接種回数などを計算している。追加の接種や210週系など、データは常に修正されているのは Worldoneter と同じで、接種回数などがマイナスになることがある。このような時はあらためて、Github のその国のページを訪れて、過去のデータを修正する。この辺は手作業なのでめんどくさいが、正しいデータのためには仕方がない。アフリカなどでは、過去の数字が消されている(セルが空白)になっていることが多く、欧米でが数値が前回見た時と全く違っていることが多い。

デンマークでは7月に入ってから、接種回数が前週以下になる。つまり、その週の接種回数がマイナスになる。このようなことはあり得ないので、確認すると、案の定、全ての接種データが修正されている。こういう時は全てのデータを再入力して計算し直す。これが、7月1日から毎週続いている。ちょっと、データが溜まったので、それを公開する。下のグラフは、でマークの発表時の累計接種回数(実線)と修正後の累計接種回数(点線)の推移である。


累計接種回数は7月1日がピークで以降は減少している。一方、当然のことながら、修正値は減少することはない。修正値は発表時の接種回数と比べ少ない。多いときには10万回以上少なくなっている。この接種したけれども、接種しなかったことにされた人たちはどういう扱いになっているのだろうか。デンマークの完了率は81.9%と非常に高く、接種回数の83%がブースターである。デンマークでは国内の規制が解除されているので、接種したかどうかは重要ではないので、それでいいのかもしれないが。データを修正する国はデンマーク以外にも、特に欧米に多い。アメリカなどは1週間に二回は修正している。時々マイナスになることもあるが、マイナスがこれだけ続くのは珍しい。

D3. 接種回数と新規陽性数の関係

次のグラフは世界のワクチン接種回数(赤)と新規陽性数(青)の推移である。

接種回数と新規陽性数はシンクロする。

E. 南米北米西欧以外のサル痘患者は統計的に誤差範囲

下の表はWHOが9月21日に発表した Multi-country outbreak of monkeypox から作成した、Worldometer 風のサル痘の感染状況である。


最も累計陽性数が多いのはアメリカで、22年になってから2万2957人の陽性患者が確認された。9月5日から18日までの間に新規に感染した陽性数もアメリカが最も多く、3606人いる。しかし、新規陽性数は前回に比べ36.8%減少した。

世界全体では105国領土で6万1747人の陽性が確認されている。今回は、バーレーン、ヨルダン、ウクライナ、グアムで初めての陽性の確認があった。一方、セルビアと南スーダンでは累計陽性者数が減少した。したがって、新規陽性数はマイナスになっている。これは、症状がサル痘のそれと似ているので、そう診断したが、検査の結果サル痘ではなかったので、その分を減らしたということだろう。

9月5日から18日までの間に新規に陽性と確認された者は8735人になる。1週間の新規陽性者にすれば半分の4368人で、新型コロナの死者数の半分以下である。陽性数の前回報告分からの伸び率は28.6%減少だった。9月5日から18日までの間に無くなった者は5人で、ナイジェリアとカメルーンで2人づつ、スーダンで1人である。

21国領土で前回分より新規陽性数が増加した。11国で伸び率が無限大だった。無限大以外で最も伸び率が大きかったのは、ドミニカ共和の2128%増である。メキシコ、チリ、コロンビアの3国のみが新規陽性者数100人以上である。一方、51国領土で新規陽性数が減少した。コンゴ民主など15国領土で新規陽性数が0になった。また、26国領土で8月22日から9月18日までの間の新規陽性数0が続いている。

次のグラフはサル痘の地域別の感染者数である。

最も感染者が多いのがアメリカ北で、ついでヨーロッパ西、アメリカ南の順である。この3地域だけで感染者の97%を占める。統計的には、その他の地域の感染者は誤差であるといえる。

次のグラフはその3地域での新規感染社数の推移である。


ヨーロッパ西では2カ月前から減少中である。アメリカ北も1カ月前から減少が始まっている。アメリカ南でも今週は減少した。

次のグラフは感染数の多い上位6国の新規陽性者数の推移である。

アメリカは極端に数が多いのでグラフが途切れているが、1カ月前から減少が始まっている。スペイン、フランス、ドイツ、イギリスは2カ月前から減少中である。スペインは1カ月前、フランスは2週間前に少し増加したが、次の回には元の減少ペースに戻っている。ブラジルは今回減少となった。

次のグラフは現在陽性数が増えている4国の新規陽性数の推移である。

メキシコ、チリ、コロンビアでは大きく増えている。

F. 四回目の接種が第7波を引き起こした

日本の38週の新規陽性数は43万0531人だった。新規陽性数が50万人を切るのは28週(7月9日~15日)以来10週間ぶりである。伸び率はマイナス28.9%で4週連続減少となった。死者数は830人で、7週間ぶりに1000人以下になった。伸び率はマイナス33.4%で3週連続の減少となった。下のグラフは日本の感染図である。

最新の人口100万人あたり1日平均の新規陽性数は489.6人、同死者数は0.94人だった。

日本の22年3期の陽性数は1158万9323人になった。現時点で日本の22年の新規陽性数の60%以上が3期に集中している。累計の陽性数も2091万6843人となった。日本国民のおよそ16.7%が感染したことになる。22年3期の死者数は1万2896人になった。22年の死者数の約半分が3期に集中している。累計の死者数も4万4177人となった。累計の致死率は0.21%である。

F1. 38週の感染状況

日本には9月23日時点で、74万6741人が治療中の患者がいる。前週比で19.4%減少で4週連続の減少である。下のグラフは22年の日本の新規陽性数と治療者数の推移である。

重症者数は262人で、前週比で19.6%減で、これで6週連続の減少である。下のグラフは日本の重症者数と死者数の時系列グラフである。


日本では38週に60万9658人が回復した。前週比で40.1%の減少で、3週連続減少した。人口100万にあたり1日平均で693.3人が回復している。今週の回復率は44.9%になる。36週が47.4%、37週が52.3%だったので、回復率は少し低くなった。下のグラフは22年の日本の新規陽性数と回復者数の推移である

日本の超過陽性はマイナスなので、感染してから12週間以上経っても回復しない者の数は不明である。厚労省はいい加減なワクチン接種者数の統計を取るのではなく、長期わたって治療している者の数もきちんと取り扱ってもらいたい。

F2. 初期型との比較

下のグラフは日本の初期型とBA.5型の新規陽性数(左上)、死者数(左下)、治療者数(右上)、重症者数(右下)の推移の比較である。初期型は21年52週を、BA.5型は22年24週を0週とした。正確には初期型が多数を占める時とBA.5型が多数を占める時の新規陽性数などの比較である。

初期型では、13週目以降陽性数と治療者数が増え始めたが、BA.5型では減少がも少し長く続くと予想される。

下のグラフは日本の初期型とBA.5型の致死率(左上)、検査陽性率(右上)、回復者数(左下)、ワクチン接種者数(右下)の推移を表している。

下のグラフは日本の初期型とBA.5型の拡大係数の推移を表している。

F3. 空港検疫の陽性数は減少が続いている

38週の空港検疫での陽性数は113人で、前週比23.1%の減少だった。次のグラフは、日本の空港検疫の陽性数(灰色)と国内の陽性数(青)の推移を表している。

F4. 今のワクチン接種はほとんどが四回目

日本での38週のワクチン接種回数は126万0791回で、前週比58.5%の減少となった。全接種回数の98%にあたる122万9038回のブースターだった。次のグラフは、日本のワクチン接種回数(赤)とブースター数(茶色)の推移である。首相官邸のホームページによれば、38週は108万4002回の四回目の接種をおこなった。前ブースター回数の88%が四回目である。

次のグラフは三回目、四回目のワクチン接種回数と新規陽性数の推移である。

三回目の接種が第6波を引き起こし、四回目の接種が第5波を引き起こしたと言ったところで、否定する材料とくにはない。厚労省は9月に入ってから、接種回数別の新規陽性者数のデータの発表をやめてしまった。その途端、接種回数が減少し始めた。何らかの関係があるかもしれない。あのデータは見る人に誤解を生む酷いモノだった。


人口、陽性件数、死者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数などは Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性件数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュースや論文に関しては出典を本文に記す。ランキングは特に表記のない限りアメリカ中部時間の9月27日22時時点で得られた最新の値を利用して作成し、上位20位までをリストした。それ以降に修正あるいは追加されたデータは含めないので、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。修正あるいは追加されたデータはも反映させているので、今号の統計とは異なる場合もある。データの違いが大きくなる修正は本文で言及している。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。

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