日本学術会議が日本共産党の資金源である可能性について

はじめに

#日本学術会議6人任命拒否問題 についての議論が相変わらず多い。10月1日にしんぶん赤旗がスクープして以来、前例にない、任命拒否の理由を説明せよ、任命は形式的な者で首相に拒否権はない、任命拒否は違憲違法である、学問の自由を尊重せよ、と政府の対応を非難するものと、反対に、学術会議は本来の仕事をしていない、税金の無駄遣い、民営化をすべき、という意見も多々ある。

最近は比較的落ち着いてきたが、しんぶん赤旗と朝日新聞は引き続き、任命拒否問題を取り上げている。一方、日本学術会議と共産党の関係について触れているものも目にする機会も多くなった。おそらく、任命されなかった6人全てあるいは一部が、自分が落とされてことについて、共産党に相談に行ったことが、しんぶん赤旗がスクープできた理由であろう。したがって、日本学術会議と共産党とはかなり強いつながりがあると考えられる。

反対派の意見が論理的に真ではないは私の前回の投稿で述べた。今回は、学術会議と共産党との関係について、研究費用の側から論じてみる。


学術会議と共産党

Wikipedia でによると、日本学術会議は設立当初から反戦であった。しかし、1952年に「破防法より学問思想の自由をまもる決議案を否決した」とある。この決議案は共産党系の会員が提起したものであると思われるが、否決されたので、この頃は共産党に支配されていたわけではなかったと考えられる。その後、1955年に代表団が中国ソ連を訪問し、1966年に「建国記念日問題シンポジウム 」を開いていることから、この頃は共産党系の会員がかなりの権力を持っていたことがわかる。

三輪知雄氏(https://ja.wikipedia.org/wiki/三輪知雄)は1970年に、学術会議が「進歩的左翼の育つ絶好の場であって、学術会議は主にこのようなところから送り出された人たちからなりったている」と指摘している。

共産党系の会員が多ければ、愛弟子や友人など共産党系の研究者が多く推薦され、そうでないものは推薦されず、ますます共産党系の会員が増えるであろうことも考えられる。菅首相が指摘する「偏り」(https://news.yahoo.co.jp/articles/a3b9dbbdf84d3b6e4854ba228a82e6743e69f055 )が存在すると言える。

また、共産党系の好む研究などが優先される可能性も高くなる。つまり、共産党は国費で自分たちのやりたい研究ができることになる。実際に北海道大学や、天文学会での研究が学術会議によって否定されている。学術会議の方が学問の自由を脅かししていると言える。


しんぶん赤旗

学術会議任命拒否問題はしんぶん赤旗がスクープが発端である。しんぶん赤旗は、言わずと知れた日本共産党の機関紙で、日刊紙と日曜版がある。以降日刊紙のしんぶん赤旗を赤旗と、日曜版のしんぶん赤旗を日曜版と呼ぶことにする。赤旗は共産党の機関紙あるにもかかわらず、一般紙と遜色のない程度に他の記事も豊富で、4コマ漫画もある。日曜日にも発行される。したがって、日曜版は赤旗とは独立した週刊誌、ちょうど、朝日新聞に対する週刊朝日のようなものであると言える。

赤旗の定期購読料は日刊紙が月額3497円、日曜版が月額930円である。三大紙と言われる朝日、毎日、読売が朝刊のみで、3093円、3093円、3400円、なので、ちょっと高い。共産党機関紙であるが、党員でなくても定期購読は可能である。赤旗は、共産党員が宅配することもあるが、既存の新聞販売店が配達することもある。その時は朝日新聞の販売店が多い。

赤旗の創刊は1928年で、最盛期の1980年には赤旗と日曜版合わせて355万部の部数を発行していた。ウィキペディアによると、2018年は合わせて130万部の発行で、日本の新聞では第15位になる。一位の讀賣は851万部発行している。一般全国紙の中では一番発行部数が少ない。毎日新聞は2019年の赤旗の発行部数が100万部を下回るという報道をした。日曜版だけをとっている人も多く、2016年で赤旗20万部、日曜版100万部である(週刊新潮2016年10月6日)。日本雑誌協会によると、週刊朝日の発行部数が約13万部(2017年)で、週刊新潮や週刊現代でも45万部程度に過ぎず、日曜版は日本最大の週刊誌であると言える。

この他、日本共産党は「前衛」や「女性のひろば」などの雑誌も刊行している。共産党系の新日本出版社も「経済」を始め、共産党の編集した書籍雑誌を発売している。


日本共産党の活動費

さて日本共産党の本質とはその活動費にある。日本の場合、政党には国会議員の割合と過去の政党得票率に応じて、政党交付金が支払われるが、共産党はそれを違法と考え、結党以来一切受け取っていない。もし受け取っていた場合、大まかに計算して毎年30億円ほどの助成金が支払われていたことになる。

日本共産党の活動費は、党費、刊行物などの事業収入、寄付、借入金、支部からの交付金などから成り立っている。政治資金収支報告書によると2018年の収入は約231億1240万円であった。内訳は事業収入が183億9300万円80%近くを占める。党費が6億4290万円、寄付が8億1780万円と合わせて6%強である。もし政党交付金を受けていれば10%以上の増収だった。決して少ない額ではない。

党員は政治資金収支報告書に2018年でのべ27万人であると書かれている。赤旗の発行部数より大きい。全ての党員が赤旗を定期購読しているわけではない。例えば、夫婦で共産党員の場合、家庭では一部しか取らないことが多いと思われる。新聞は平均して2.5人に読まれるという統計がある。赤旗も同じであると仮定すれば、購読している党員は約11万人いると考えられる。しかし、赤旗は2016年で約20万部発行されていた。日本の新聞は毎年約4%づつ発行部数を減らしているので、2018年の赤旗の発行部数は18万5000部程度と思われる。

つまり、少なくとも、7万5000人の党員でないものが赤旗を購読していることになる。この7万5000の非党員が赤旗を一年の定期購読をしたと考えれば、約40億円の売り上げとなる。日曜版では8億円ほどの売り上げになる。政党交付金よりも大きい額になる。これが共産党が政党交付金を否定することができる一因である。他の政党でこれができるところは公明党しかなく、政党交付金を廃止すれば、他の党はその運営に大きな支障をこたすことが考えられる。

いわゆる「押し紙」もあるかと思われるが、産経新聞は2014年11月28日の記事
(https://www.sankei.com/west/news/141128/wst1411280032-n1.html )で、橋下徹元大阪市長の、事業収入は機関紙の売り上げは、「全国の役所が購入しすぎて、すさまじい額のお金を払っている。政党助成金そのものだ」と述べていると書いている。しかし、日本の地方公共団体数は2018年で1724ほどなので、支所などを含めても、せいぜい5000程度なので、橋下氏の言うほど多くはないと思われる。また、行橋市議会議員の小坪しんや氏は、自身のブログで、公務員に赤旗を押し売りしていると主張している(https://samurai20.jp/2019/01/akahata-50/ )。公務員は300万人以上いるが、橋下氏の指摘が正しければ、すでに役所に赤旗が置いてあるので、わざわざ購読することはないが、代わりに日曜版を買わされる可能性は十分ある。


誰が赤旗を買うか

では、党員以外で誰が赤旗を購入しているのかを考えると、学者研究者である。政治や経済などの社会科学研究者、宗教や倫理などと言った人文科学研究者にとって、赤旗は、偏っているけれども、かなり重要な研究資料であることは間違いない。では、研究者は赤旗を自費で購入するかといえば、それはわからない。というのも、国や民間の団体に研究費を申請する時に、書籍費という形で、赤旗の購入費を請求できるからであ
る。

例えば、ある研究者が5年間の研究期間で研究費を申請していたとする。この5年間赤旗を科研費で購読し続けることが可能である。一人の研究者は複数の事柄を研究していることが多い。この研究が終わっても、別な研究を通して、赤旗の定期購読が可能になる。また、通常書籍類は1カ所に1部と限定されている。共同研究などで、複数の申請者が別の研究施設にいる場合、それぞれで赤旗を購読し続けることは禁止されていない。

共産党員は全て赤旗を定期購読しているわけではないというのは既に述べた。このような研究者も自費で赤旗を定期購読していない可能性がある。

研究費はその用途がかなり厳密に決まっている。例えば鉛筆1本の購入にもいちいち申請しなければならない。しかし、日本学術会議は国の研究費を分配することを請け負っている。それゆえ、赤旗を購読する研究に重きを置くことは簡単にできると思われる。「軍事的安全保障研究に関する声明 」も、重要度の高い研究を蔑ろにし、学術会議が共産党が好きな研究にのみ研究費を分配することを目的とした可能性もある。公明党も同じことができるが、公明党と共産党は犬猿の仲なので、公明党関係の研究の申請はあまり通っていないかもしれない。

2018年に認められた科研費は7万5000件であった。すべてが全て、赤旗を購読するような研究であるはずはないが、例えば20%がそのような研究で、それぞれが5人づつ申請者がいたとすれば、7万5000部の赤旗の赤旗が、科研費で購入されたことになる。科研費は税金から捻出される。赤旗の購読に税金を投入していることになる。まさに学術会議マジックと言える。

研究費で購入した書籍や新聞は速やかに所属する研究施設あるいは大学に寄付することになっている。したがって、研究室や図書館などに赤旗が置かれていた場合、この赤旗は研究費で購入された可能性がある。

この学術会議マジックは、かなり早い段階から行われていたと考えるのが自然である。共産党が輝いていた1980年台に党員の数は現在の2倍弱であった。しかし、赤旗の売り上げは現在の3倍以上あった。ということは、今と比べ物にならないくらいの非党員が赤旗を購入していたいうことになる。橋下氏や小坪氏の指摘のように役所や公務員が購入していた可能性も高いが、研究費で共産党系の学者が購入していた可能性も高い。今と違って、昔は研究費の管理がザルで、私的流用も多かったと聞く。研究費で赤旗を購入する以外にも何かあった可能性がある。


終わりに

赤旗だけでなく、新聞社やテレビ局の刊行する全ての新聞、雑誌、CD、DVDが国からの研究費で購入できる。調べた限りでは、和光大学が研究費による一般紙の購入を認めていなかっただけである。それゆえ、赤旗と朝日新聞が中心となって、主に新聞社やテレビ局が学術会議の任命拒否問題に反対しているわけである。

政府は、単に研究の偏りに懸念しているのではなく、研究費が共産党の運営費に使われることを懸念している可能性がある。今回任命されなかったのは6人だけだが、次は、もっと多くなるかもしれない。また、民営化など学術会議のあり方についても変更が加わるかもしれない。そうなったら、赤旗を購読する研究に研究費が降りにくくなる可能性がある。また、和光大学のように新聞などの購読は研究費として認められなくなるかもしれない。そうなると、最も困るのが、赤旗の売り上げで、党を運営している共産党なのである。


池田信夫氏「学術会議は共産党の活動拠点だった」(http://agora-web.jp/archives/2048446.html)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?