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ワンピースの中ではわたあめ大好きチョッパーが1番好き


『琵琶湖の水源はよくわかっていないらしいですよ』

何の本に書いてあったのか忘れたが、妙に印象に残ったセリフだ。

琵琶湖の水源は調べれば分かるような気がしたが、よく分からないままもいいような感じがして検索する手を止めた。

琵琶湖では鮎が取れるらしい。
串にぐっさり刺されて囲炉裏で塩を纏って焼かれている鮎ではなく、小鮎と呼ばれる小サイズの鮎だ。スーパーで容器に狭しと詰められた小鮎が売られている様子は、他県人からしたら珍しいが、滋賀県では至る所で見かける飛び出し坊や程ではないが小鮎の販売も見慣れた風景らしい。

出産してから味覚が変わったのか、煮物だの佃煮だの和食を好むようになった。
鮎も好むようになった和食の一つだ。

小鮎は一パック1,000円。
1週間の食事の予算を考えると、私しか食べない食材に注ぎ込むには大金だ。毎日食事を作るものの特権として購入した。
塩焼きにするか甘露煮にするか悩ましいところだが今回は甘露煮に勝敗が上がった。
(ちなみに天ぷらは色々と面倒なので最初から選択肢にない)

よだれを垂らしのラクダのような顔になりつつ甘辛く煮詰めた小鮎は、煮詰める時にかき混ぜてしまったことが原因で頭と胴体がバラバラになってしまった。しみコーンのようにしみしみ染み込ませたので味は良く、初めて作ったにしては上出来だろう。

出来上がった小鮎の甘露煮は夕食にご飯のお供にするだけでは飽き足らず、会社に持って行くお昼用のお弁当にも詰めることにした。

新婚家庭で配偶者のお弁当を作っているかのようにいそいそとお弁当箱に詰め込む。お昼にもこの甘露煮が食べれるなんて。想像しただけでも褒められた時のチョッパーのように顔がニヤける。

お弁当に詰め込まれた茶色い物体を見て、会社の同僚たちが何を思っているか不安は残るが、気の進まない明日の土曜出社も少しだけ心が弾むのだった。


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