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「何かある」場所。ギルドハウス十日町

「北海道で住み込みで働きたい」

そう決めて地元である福岡県から
北海道までの車での冒険が始まった。

予定は何も決めずに。

そんな僕が「ギルドハウス十日町」について
知ったのは冒険の途中でした。

キャンプ、車中泊を繰り返し、
いつものように寝る前に明日の予定を考えていた。

そんなときにたまたま、
SNSでギルドハウス十日町について
書いている投稿を見かけた。

新潟県十日町市の限界集落で、
これまで約5年間で8000人以上の人が訪れ、
そして80名以上の人が暮らしてきた場所。
それも、旅人、外国人、老人、シングルマザー、
高校生など、様々な人たちが。

そもそもギルドハウスとは??

僕は旅が好きだが、
ゲストハウスに泊まったことも、
シェアハウスしたこともない。
テラスハウスを見たことがあるくらいだ。笑

しかし、物凄く興味が湧いた。
「行きたいと思ったところには行こう。」
そう決心して、「ギルドハウス十日町」へ。

「わ、写真で見た通りや。」

何もない山道を進み、到着したときの
第一声だった。

そしてその雰囲気に圧倒され、
中々勇気が出ずに車の中で少し休憩する。

そう、僕は人見知りだ。緊張もすごくする。
ゲストハウスとかでは、
きっとほぼ全員が初めましてで、旅人も多く、
そこからコミュニケーションが生まれるという
イメージだが、
ここギルドハウスでは元々は知らない人同士でも
今は家族のように暮らしている。
その中に自分1人で行くのは凄く勇気がいった。


「やっぱりやめとこうかな。」
「なにゆうてんねん!はよいけや!」
と、心の中で戦う。笑

覚悟を決め車から降りて、玄関へ。
呼び鈴はなく、ノックをしてみる。

「いないのかな?」反応がない。

勝手に空けていいものなのか?

もう一度ノックをすると、
中から「は〜い」と声が聞こえた。

恐る恐る、ドアを開けた。

これがギルドマスター、
ハルさんとの出会いだった。

玄関で、ここへきた成り行きを話すと、
「どうぞどうぞ」と中に入れてくれて
コーヒーをいただいた。

飲みながら話をしていると、
「お昼たべた?」と、ご飯をご馳走になった。

そして、「今日泊まるところは決まってるの?」
「泊まっていきなよ!」と。

こうして、ギルドハウス十日町での宿泊が決まった。

18:00になると、晩御飯の支度をした。

「じゃ!ここに材料あるから!」と
ハルさんの奥さんである、まちこさん。

「えぇ、まじ?」というのが心の本音。笑

何作ろう。何作ろう。
右手はパーで左手もパーで、、ちょうちょ〜👐

なんて余裕は微塵もなく。笑

大人数の料理は作ったことないし、
味付けは??道具や調味料はどこ??

頭の中に❓がたくさん浮かんでいると、
まちこさんが、「野菜炒め作ってもらおうかな!」と声をかけてくれた。

「材料はどれくらい使っていいのかな、、、」

質問しながら、手分けして料理をした。

そして、何品か作り、みんなで食べる。
この日は、ハルさん、奥さんのまちこさん、
子供のはるまくん、
そして住人の3人の方と食事をした。

住人の人たちは最初に挨拶をしたときから
僕がいるのが当たり前のように接してくれた。
何も気を使わず、普段通りの生活をしている。
それが心地よくて、生活の一部になれた気がした。

会って数時間の人たちと一つ屋根の下で
ご飯を作り、食べ、会話をして。
なんだかそれが不思議な雰囲気で、
これがギルドハウスという空間なのかと思う一方
普通の一家庭の空間なのかという気がした。

だからこそ、自然体の自分でいられた。

ハルさんの話を聞くのはおもしろかった。
いろんな人が来て、
人によって旅の仕方も、感性も、
このギルドハウスへの入り方だって違う。
僕のように恐る恐るドアを開ける人もいれば、
ズカズカと入って来る人も。

僕は3月で、思い切って仕事を辞めて
8年間住んだ大阪を去り、地元福岡へ帰った。
5月から留学して、留学後は海外を旅して周る予定だった。それもコロナで未だ見当もつかず。

今までいろんなところに一人旅をして、
ヒッチハイク旅をして、自転車で九州を一周して、
北海道まで車で冒険して、
いろんな人に出会った。でも、最近は
人生に迷っている気分になることが多かった。

たくさんの素敵な人に出会い、
いろんな経験をして、

「自分はこれからどうなりたいのか」

人見知りでコミュニケーション能力もあまりない。

「自分の魅力とは?」

魅力の塊のような人たちを見ると、
少し自信を失ってきて迷うことも多くなった。

結局、いつのまにか昔のように
人の目を気にしたり、他人と比べたりしている
自分がいることに気付いた。

「ちがう。」

ギルドハウスで過ごした時間は短かったが、
そこに改めて気付けた気がした。

旅の仕方も、理由も、感性も、人それぞれ。
生き方だって。お金の稼ぎ方だって。

普段と違う生活をして、
旅をしなければ行かなかった場所が
思い出の場所になり、
旅をしなければ出逢わなかった人と出逢う。
たくさんのことに気付き、気付かされ、経験し。
気楽に、一生懸命に、楽しんだらいい。

迷うことにも焦らず、やりたいことや
興味のあることを大事に一日一日を過ごせば
これから、なりたい自分が見えてくるのでは
ないであろうか。

もし、自分に魅力があるなら
周りにいる人が、接する人が感じてくれるなら
自分が知らなくてもいいや。

「原点にかえれ!!!」

そう思った。

ギルドハウスの雰囲気や
ハルさんと日本酒を飲みながら話した時間が
気分を軽くしてくれた。

そして久しぶりのベッドで爆睡し、
次の日、ハルさんとまちこさんとはるまくんに
見送っていただき、
冒険が再スタートしました。

「何もない」
そんな場所にあるギルドハウス十日町は
初めて会った人を家族のように
受け入れてくれる温かさ、たくさんの冒険者の跡、
その他にもたくさんの「何かある」場所でした。

初めて見た時、圧倒された雰囲気、
恐る恐る開けた扉も、
出発するときに見ると、我が家のように見えて
「また来たい。」そう思いました。

ハルさん、まちこさん、はるまくん、
そして住人の方々、本当にありがとうございました😌

その後無事に北海道に着き、
現在も住み込みで酪農の仕事をしています。

では、
明日も良い一日になりますように。

読んでいただいた方、ありがとうございます。

instagram/@h.gun21

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