見出し画像

第3回 コンビニエンスストアの商圏とは

商圏は半径350m?

一般的にコンビニエンススストアの商圏は半径350mと言われています。350mとは平均的な歩速で5分以内に到達できる距離です。
徒歩で来店するのに抵抗を感じないのが5分位までといわれています。その半径350mを同じ物差しとして商圏ボリュームの差を調べることにより、それぞれのお店の立地類型を判定する事に使うのが主目的で、全てのお客様の来店範囲を表している訳ではありません。
しかし後半でこの商圏を使った来店客数増加のTipsをご説明しますので是非参考にして下さい。

実際の商圏

全てのお客様に来店していただいている範囲、つまり実際の商圏を表すと前述の半径350mの円形ではなく、広範囲のアメーバ状になります。
ただしこの範囲の中にいるお客様を一つのお店で独占することは出来ません。なぜならお客様は一日、一週間、一年の時間軸の中で流動的な側面をもっているからです。
ここで一般的なサラリーマン、太郎さん(仮称)の行動様式でコンビニの利用シーンを考えてみましょう。
①住んでいる人(夜間人口)としての存在
夜間や在宅勤務の昼間、休日などに、家の近くのA店で夕食、朝食や酒の肴や日用品を買う。
②働いている人(昼間人口)としての存在
朝、家を出てバスや電車を乗り継ぎ会社に着いた時に、会社の近くのB店でコーヒーを買い、昼食を買う。
③移動する人(流動人口)としての存在
週末や夏休み、年末年始等、子どもを連れて車で観光地や遊園地に遊びに行く時に、観光地までの途中のC店でトイレ休憩。お茶やお菓子を買う。
このように一人のお客様がそれぞれのシーンに応じて複数のお店の顧客として存在しているのがおわかり頂けると思います。

スライド1

前述のサラリーマン、太郎さんは3つのお店の商圏の顧客として存在していました。
①住んでいる人②働いている人として利用するお店と、自宅や事業所は近いところにあります。しかし③移動する人としてのお店との距離にはつかみ所がありません。
例えば京都の観光名所の前にあるコンビニのお客様は海外のお客様を含め世界中から来店しています。
同じように幹線道路沿いのロードサイドのコンビニのお客様は日本中から来店しています。つまり商圏は世界中、日本中となってしまいます。
商圏が広大な反面お店への来店頻度は非常に低く、海外のお客様であれば一生に一度かもしれません。日本のお客様でも年に一度。ひと月に一度。たまたまそこに来たから来店したお客様ですが、そのボリュームが大きい為、来店頻度が低くても来店客数が多いので成り立っています。
ただし、移動するお客様を中心に売上が成り立っている場所は環境の変化を受けやすく長期的に見るとコロナ禍や、世界情勢、景気動向、新道の開通や競合改廃等の影響を受けやすく不安定です。それに対してお店が打てる手は非常に限られています。

350mの商圏を大事にしましょう

皆さんも売上を上げる為に来店したお客様の分析をされていると思います。しかしそのような分析では既存顧客の客単価や来店頻度は上げられても、新規顧客数は増えず日販の向上には自ずと限界がきてしまいます。
現状を打破する為に是非使っていただきたいのが冒頭で説明した半径350mの商圏です。ここに住む人、働く人はあなたのお店を『近くて』『利便性が高い』と感じていただける可能性のある人です。お店の周りにはどんな住宅があって、どんな事業所がありどんな働き方をしているのか?是非ご自分のお店の周辺を歩く事をお勧めします。そして最寄り商圏を知りましょう。
※弊社HPではお店の半径350m内の各種データを購入する事が可能です。

noteアイコン(お店の商圏)

最寄り商圏を歩くことで仮説を立てましょう

ただお店の周りを漠然と歩くだけでは何もなりません。しかし難しいことをご提案している訳でもありません。
歩きながら商圏内に住んでいる人、働いている人について想像力を働かせましょう。
マンションが多ければ、その築年数や間取りなどからファミリーが多いのか、単身者が多いのか、高齢者が多いのかがわかります。また事業所があれば、その規模や人の出入りを見ることで出退勤時間のピークや勤務形態(一斉勤務、2~3交代勤務)、外出の可否、食事のスタイル(社員食堂なのか、外食なのか)等がわかります。是非朝、昼、夜、平日、休日と時間や曜日を変えて歩いてみましょう。

スライド2

品揃えの見直し

最寄り商圏の仮説が立てられたら、次は自店の品揃えと仮説にズレがないか、確認しましょう。もしズレていれば品揃えを見直しましょう。時間帯、曜日毎に見ていくと、思わぬ発見があるかもしれません。仮説に基づいたポスティング等を行い、まだ来店されていないお客様を新規に獲得する事ができれば、売上は大きく変わってゆきます。既に来店されているお客様の来店頻度を今以上に上げるのはなかなか難しいですが、新規顧客が1人増え、そのお客様が週に3回来店していただければ、その積み重ねで日販は大きく変える事が出来ます。

noteアイコン(ご相談)

note1137バナー

URバナー


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?