LPWAでオフィス環境を可視化せよ!(番外編) - LHT65と照度プローブ
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LPWAでオフィス環境を可視化せよ!(番外編) - LHT65と照度プローブ

elspina veinz

前編後編でお届けしました「LPWAでオフィス環境を可視化せよ!」シリーズ、3つ目「番外編 - LHT65と照度プローブ」です。

1. 概要

オフィス環境の状態をみるために、様々なセンサーノードの情報を一元的に可視化する必要があります。

その中で、オフィスに人がいるのか?いないのか?をどうやったら確度高く判定できるのか?という課題を設定していました。

今回利用しているセンサー類で使えそうなものは、3つあります。

A:ドアの開閉センサー @ LoRaWAN
B: 照度センサー @ LoRaWAN
C: 人感センサー @ EnOcean

当初、Cの人感センサーだけで判定が可能だろうと考えていました。しかし実際に運用していると、こんな課題が見えました。

- (天井が少し低いため)センシングできるエリアが期待よりは狭い
- (職業柄)椅子に座り動かず作業している(手先だけ動く)こともあり、人がいるのに検知しないタイミングが存在する

「オフィスに人がいる」とは、どういうことか?と洞察してみました。我々のオフィスでは、次のような事象が発生することが考えられます

a: ドアの開け閉めが1時間単位で見れば、発生しうる
b:  (人がいない時と比べて)部屋が明るい
c: 人の気配がある

ということで、a->A、b->B, c->Cという組み合わせでデータを眺めれば、相当の確度で人がいるかいないか?を判定できると考えました。

AとCは、すでにオフィス内で動かしていましたので、Bの照度センサーを設置する必要がありました。

そこで思い立ったのが、すでに設置済みであった「Dragino社製温湿度センサーLHT65」を活用することでした。

が、簡単に済んでしまうであろうと期待していた設定で、少し沼にハマってしまいました。マニュアルでは見落としガチな設定について触れてみたいと思います。

2. 沼の始まり

LHT65は、いくつかバージョンがあります。Draginoダイレクトショップでも扱っているようにすでに照度センサー対応のバージョンも販売されております。

が、当方が購入していたのは、これが発売される前で、温湿度対応の標準版でした。よって、照度プローブ対応するには、少なくとも「ファームウェアの最新化」が必要でした。

なお、照度プローブは、TTN Japan アンバサダー吉田さんのご好意で、お借りすることができました。(いつも感謝です、吉田さん)

そう、ここからが沼の始まりです。実は、「ファームウェアの最新化」だけで照度センサーは使えるだろうと思い込んでいました。というのも、「何か特別かこと」が必要とは、公式マニュアル含めて見当たらなかったからです。

3. FWの最新化

まず、LHT65のFWを最新化するには、専用の接続ツール(ST Link V2)が必要です。

これを使ってPC - ST Link V2 - LHT65を接続します。(雄雌ジャンパ線と1本だけ雌雌ジャンパも必要です)

繋ぎ方は、公式wikiと(ここでも)吉田さんの情報を元に実施しました。

キモは「ST Link V2本体の19ピントと2ピンの短絡・・・(これに雌雌ジャンパ線が必要)」です。

[必要な資材]
- LHT65本体、付属の専用ケーブル
- ST Link V2
- PC(つまり、Windowsマシン)
- FW書き込み用ST製ツール ST-Link Utility (ST-Link Driverも必要)
- 最新ファームウェア(実験時点v1.7が最新、執筆時点でv1.8が最新)

公式wikiと(ここでも)吉田さんの情報を元に、”ピンの短絡”を忘れなければ、特にコケることなくFWの最新化は実施できます。

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4. 試行錯誤(というほどでもないが)

ファームウェアを最新化し、TTNでPayloadを見やすくするために、Dragino社LHT65製品情報から、対応するデコーダーを登録します。

LHT65本体に照度プローブをつけて、TTNでUplinkデータを待ちます。が、残念ながら、照度らしきデータは含まれず。。。

そこで、何が悪いのか?を調べるために、試行錯誤を繰り返すことになりました。

[比較実験]
- 別のLHT65を同じ状態にして確認・・・同様に照度データは含まれず
- ファームウェアバージョンの確認(ATコマンド、AT+VER=?を実行)・・・問題なく最新FW
- 外付けの温度プローブでの動作確認・・・問題なく外付けプローブの値もUplinkに含まれる

これにより、照度プローブ本体自体の不具合が疑われ、諦めかけたその時に、、、

5. 呆気ない顛末

TTN Japan アンバサダー吉田さんから呟きがやってきました。

E1、E4は自動認識で、E5はマニュアル変更かも。。。

 ※E1とは、外付け温度センサープローブ。E3とは、スイッチセンサープローブ。E5とは、この”照度センサープローブ”のモードのことです。

ということで、ATコマンド、あるいはDownlinkで、明示的に「照度プローブを利用している」旨の設定します。

ATコマンド: AT+EX=5
Downlink: 0xA205

これを実行すると、めでたく照度プローブのデータが取得できます。

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参考までに、オフィスの照度レベルの推移グラフを貼り付けておきます。ランチタイムは、外出するので一部の照明をオフにします。ので、照度レベルが落ちます。また、不在時にはほぼ0になります。

スクリーンショット 2021-04-19 15.50.07

今回は、番外編ということで、マニュアルでは見落としてしまう部分のマニアックな設定について、触れてみました。

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elspina veinz
生産年齢人口の急激な減少,社会インフラの老朽化。朽ちていくこの日本、そして地方都市をベースに、「枯れた技術の水平思考」をベースに、小さなチームで、楽しくいろんな課題にチャレンジしています!