見出し画像

人生で最も好きだった人と別れた日の話


人生で最も好きだった人と別れた日の夜は、
一人でとにかく車を走らせて、涙で事故りそうな自分のためにお酒を買って家に帰ると決めました。7年くらい前の話です。
やっと飲めるようになったビール(しかもなぜか瓶)を二本買って家に帰り一人で飲んでいた。
甘いサワーを好んでいた20そこそこの女が
覚えたてのビールを飲みながらとにかく泣いた。気がする。
ビールを買ったのは覚えてるけど、その後は覚えてない。だってもう昔の話。

きっと家で1人お酒を飲んで、ベロベロになって、
感傷に浸りまくった私は潰れて眠りました。
酔ったら記憶を無くしがちな私、ほとんど覚えてないのに当時飲んだ2本のアサヒの瓶ビールのことだけは忘れられない。
誰も聞いていない車内という空間で、大きな声で気持ちを吐き出しながら、涙で前が見えなくなりつつも冷静に運転したあの道も、忘れられない。
どんな時だって私は冷静なのだ。だけど、ドラマの主人公みたいになりたい夜もあった。

何年経ってもたまに思い出すあの夜のこと。
加藤ミリヤを聴きながらドライブしようと決めて飛び出した家も、当時悲しい歌ばかり歌っていたミリヤも、歌いながら1人でドライブした夜中のことも、瓶ビールを買ったスーパーも全部、覚えてるのに、
お酒も時間も都合いいもんであとは忘れてしまった。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?