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2022/09/20 学歴は最低限の保証

学歴にこだわる人がいる。それ自体はおかしなことではない。 しかし、過剰にこだわりを見せる人がいる。

そもそも、学歴が高い人がいるとして、得られる恩恵は何だろう。就職が有利になる? それとも、資格取得がスムーズになる? 私個人として、あまり学歴にこだわりを持っていない。その理由があるとすれば、学歴は「あくまで最低限の学力保障」に過ぎない、と考えているからだ。

考えてみてほしい。日本でトップクラスの大学として、A大学があるとしよう。合格する人数は年間3,000人程度だとして、全員が一律、同じ学力であるはずがない。当然、首位合格者がいる一方、滑り込み合格者だっている。ここで大切なのは、合格したからといって、ピンキリということだ。

では次に、ランクが少し下がるものの2番手のB大学があるとしよう。A大学に滑り込みで合格した人と、B大学に首位合格した人を比較すると、どちらの方が学力が高いだろうか。

………

答えは、「わからない」となる。

想像してもらいたいが、人によって大学に通う目的は異なる。例えば、あなたが受験者であったとしよう。将来の夢をかなえるために、大学で研究したい分野ができた。その分野は、A大学では力を入れられておらず、B大学では国内をリードする研究者を輩出するほど熱心だとする。あなたは、A大学、B大学のどちらも首位で合格できる。そうなると、あなたは将来の夢のため、B大学を迷わず受験するのではないか。そして、A大学とB大学あわせた受験者の中で、実力トップはあなたになる。結果、当然A大学の滑り込み合格者よりも、B大学の首位合格者が高い学力を有することになる。

また、その他の理由として、家から通える範囲で受験するパターンだってありうる。その場合も上記と同様だ。

B大学の人はA大学の人より劣っている、ということは断定できない。上記でも説明した通り、A大学やB大学に合格していることは、学力の上限を保障しているわけではないからだ。あくまで最低レベルの保障であり、しかも当日出題される試験内容の運もある。そのため、合格できなければ、受験者本人の学力が低い、というわけでもないのである。

しかし、世の中ではどうしても、良い大学に通ってほしいと過剰に思う親が多くなりがちだ。子供のためを想ってだと理解はできるが、必要以上のプレッシャーとならないよう、勉学に励む子供を「見守る勇気」を持ってもらいたい。

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