【本のこと】『眠れない夜は体を脱いで』
あけましておめでとうございます!
丑年なので、私の大好きな赤べこさんを表紙にしました(笑)
元旦だった昨日は、本をまるまる2冊読み、私としては珍しく深夜のテレビ番組を楽しみ、充実した1日でした。
今年は22歳になる年。
言葉が輝き、軸がブレない、カッコいい大人になりたいです!
彩瀬先生の言葉には、程よい温もりがある。
2021年の1冊目は、彩瀬まる著『眠れない夜は体を脱いで』(中公文庫)。
短編5話で構成され、それらの主人公らは「手の画像を見せて」という不思議なネット掲示板に辿り着く……そんな1冊です。
主人公らに共通するのは、「己への違和感」。
容姿、性別、生き方など、この世には種々の違和感が存在します。
そんな違和感を毛布で包み込み、「君は君でいいんじゃない?」と静かに肯定してくれる、程よい温もりを秘めた作品。
私は彩瀬先生の大ファンで、『あのひとは蜘蛛を潰せない』『神様のケーキを頬ばるまで』『骨を彩る』も読んできました。
読み終わって毎回感じるのは、「敵わない」という心地よい敗北感。
もともとプロの小説家を目指していた私にとって、彩瀬先生は「大注目株」であり、憧れの小説家さんです。
意見を押しつけもせず、かといって他人事にもせず、読者が抱える多種多様な想いに対し、ちょうど良い距離から声をかけてくれるような存在。
今回の作品を読んで、私はますます、先生のファンになりました(笑)
1月1日、記憶を掘り起された私。
あくまで個人的な見解ですが、『眠れない夜は体を脱いで』は、記憶を掘り起こす作品だと想います。
私の記憶を掘り起こしたのは、第5話『真夜中のストーリー』。
ネット空間でアバターとして出会った男女の物語です。
中学時代、ゲーム世界に肩まで浸っていた私にとって、この作品は「懐かしい……!」の塊でした。
あるゲームで出会った、何歳か年下の女の子がいました。
家にも学校にも居場所がないけれど、ゲームの中なら気楽でいられる。
そんな彼女と何故か仲良くなり、毎日のようにアバター同士で物語を編んでいく中で、「彼女の生きる意味になりたい」なんておこがましいことを想うようになりました。
※「誰もがまあまあ生きやすい社会をつくりたい」私のビジョンは、ここにも原点を持っているようです(笑)
しかし、高校生になり、校内1番を目指して勉強を始めた私は、そのゲームから遠ざかってしまいました。
『真夜中のストーリー』を読み終わった時、もう何年も思い出していなかった彼女が頭に浮かび、「元気かな」と無責任にも考えました。
居場所がないと嘆いていた彼女にとって、私との時間が少しでも居場所になっていたなら。
今更確かめようもないのですが、数年前のゲーム世界に思いを馳せました。
私にとってゲーム世界は特別で、可愛い妹のような存在が出来、頼れる大人を見つけ、恋をされ……と、少し大人になれた場所でした。
もう戻れないゲーマーの日々が突然鮮やかに帰ってきた、1月1日。
自分語り、失礼しました!
最近、自分語りが多いですね(笑)
意外と私はお喋りさんらしいです……
自己満足で始めたnote、マイペースに続けていきたいなと思っています。
そんなこんなで、今回の1冊は彩瀬まる著『眠れない夜は体を脱いで』(中公文庫)でした!
皆さんにとって、2021年が良きものとなりますように。