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くるい

人生とは スーパーといふ ふくろこうじの ようなものだ
とおとこは 思った。

かごをとり 明るいなかに入れば
網タイツをはいたパイナップルに 曇りガラスの向こうで
誘うように笑う シーフードピザ

加速した欲求に おそろしさをおぼえながらも
夜食の弁当を とり
レジに並ぶ

会計である

さいごのしんぱんのように表示される いがいに高い値段 
しぶしぶ入れるしはらい 
地獄の河原で袋詰め。

男の頭は スーパーに行く前に行った
図書館の谷川俊太郎の本に毒され
また 詩を書いている

会計を知らなかったという無知を罪と、
聖書には書いてないというおとこは 荷づめをしている

最後の審判のようなレシート 地獄の河原の石積のような荷づめ

男は ポイント活動という経済を回す活動家である。
石積みも終わり 商品名をうちこみながら
自転車に乗る。

スマホをポケットに入れ漕ぎ始めると 優柔不断な男同士、
自転車で右を譲るか左を・・・
いらいらする。

そう 谷川俊太郎の詩を読んで わたしはちょっとくるっている

ピザを食らい お弁当をれいぞうこに入れ、
ベルギービールを飲み干して タイピングする

罪深さに神を恐れる いや あなどっている
「主を 恐れることは ちえの始まり」
そういったのはソロモンだったろうか
晩年知識も何もかもむなしいといったそうな

図書館のページで 谷川俊太郎の名前を確認して
ペンを置く じんせいあなどりがたし

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