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この世の天国

エメラルドの海から身体に絡みつくような湿った熱風が来る。

陽光がクーラーで冷えた肌を焼き、心地よさが目覚める。


海辺の記憶をなぞりながら重たいまぶたを開け閉めする。心地よさは人から教わることかもしれないなどと思いながら、

話し相手を探して席を立つ。

コーヒーを飲みながらテレビを見る。

そこに平和があることを、キリストは「神の御国にいる」と表現したのではないだろうか。

この世の天国を慈しむように撫でる。

苦あれば楽あり。一息付けたのかもしれない。

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