見出し画像

もうすぐ “SHINE ON”

THE YELLOW MONKEY (以下、イエローモンキー)は、私にとって軸みたいなバンドで、色んなアーティストを見聞きするにも、何となく基準点として胸にあるようなイメージだ。十代の若かりし頃、それくらい曲を聴き込んだと思う。

初めて生でイエローモンキーを見たのは、当時私が大学1年生のとき、2004年の東京ドームで。それは、ライブではなく、彼らの解散イベント(フィルム上映)だった。
そのラスト、何の挨拶もなく登場した4人は、代表曲「JAM」をただ1曲のみ演奏。それだけで舞台を去り、会場には絶望するファンだけが残された。悲鳴もあったと思う。広い広い東京ドームの中が、非常に暗く重々しい空気で充満していたのを覚えている。
これが私が見る、最初で最後のイエローモンキーだと思っていた。

その後、ご存じのとおりイエローモンキーは2016年に復活。
私は、復活後初めてのライブとなる代々木第一体育館のチケットにめでたく当選し、イエローモンキーのステージを、ちゃんとした形で見ることができた。
復活後のイエローモンキーは、新しい曲、ヒット曲は勿論、過去のアルバム収録のマイナー曲もガンガン演る。いい感じにエイジングされた、渋みを増したイエローモンキーの魅力があった。古参ファンを楽しませつつ、過去の栄光に縋らず、かつ新しい魅力を見せてくれる。同じ時代に、ライブで直接好きな音楽を聴けることが、なんと幸せなことか。

再結成のステージで、「もう解散しないと」吉井和哉は言った。だから再びの活動休止期間に入るも、心配などしていなかった。コロナ禍もあり、ライブが難しいこともあるだろう。それぞれの活動も大事だ。
新しいアルバム制作も取り掛かっているとあったし、そう長くはかかるまい。再会を楽しみに――。
その後、何となく不穏な公演キャンセルなどで心配していたところ、吉井和哉の病が公表されたときは心臓が凍った。


昨年末より、ミュージシャンの訃報が相次いだ。まだみんな死ぬには若い年齢だ。
私はまだ、自分の中の多くを占めるミュージシャン――いわゆる「推し」的な誰かを亡くしたことが無い。その時私はどうなってしまうのだろう。不謹慎だが、そんなことを考えてしまう。

ただ何にせよ、…限りあるものだからこそ見に行けるライブに行き、精一杯提供される音楽を享受したい。
待ちに待った二度目の活動再開は明後日2024年4月27日、東京ドーム。(え、あれから20年経った…?)
このときのために、ファンクラブは継続していた。スーパー指定席に当選し、表示された席番は、おそらくステージ中央よりの3列目。花道などのレイアウトが不明のため確実ではないが、過去最高の近さかもしれない……嗚呼どうしよう……イエローモンキーの輝きにあてられて、雲散霧消してしまうかもしれない。
吉井和哉が病から復帰して初めてのライブとなるため、少しの不安はあるけれど、楽しみで仕方ない。どうかもっともっと同じ時代で輝き続けてくれますように。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?