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幼稚園の頃の夢

幼稚園や保育園の頃に将来の夢を書かされたという経験はないだろうか。大体の人は(自分の知る限りではあるが)仮面ライダーやプリキュア、スポーツ選手など、その時の自分に大きな影響を与えたものや憧れているものを夢としていた。
現在、その頃挙げた夢を叶えている人はおそらく少ない。だが、その頃夢にあげているものを現在は”嫌い”という人もまた少ないのではないだろうか。私はその少ない部類に入っていると思う。

幼稚園の頃の私の夢は”ゲンゴロウ”。
意味がわからない、いや、意味はわかるのだけどわからない。せめて人外になりたいとしても恐竜とかだろ、百歩譲って昆虫ならカブトムシやクワガタだろ!と声を大にして言いたい。
決してふざけていたわけではない。至って真剣に”ゲンゴロウになりたい”と思っていたのだ。

当時そのような思考回路になった原因をおぼろげではあるが覚えているので解説しようと思う。
まず、昆虫がとても好きであった。昆虫が大の苦手である現在の自分からは考えられないがめちゃくちゃ好きであった。カブトムシを親戚からもらい育てたり、虫取りによく繰り出し、名前や生態を図鑑で調べて暗記するほど真剣に好きであった。今の自分の好きなものに対する極端なほどの熱中具合や探究心はここから来ているのだと思う。
第二の理由、これがいちばんの理由だと思うのだが水陸両用であることだろう。「水中で生活できる上に空も飛べるなんて最強じゃねーか!」という幼稚園生にしてはしっかりとした理由だと自分でも思う。だが今になって考えると水陸両用であることはメリットだけでなく、小さな生物にとっては天敵がめちゃくちゃ増えるという最悪のデメリットがあることに気付いてしまった。
調べてみると案の定(憧れていたものに対しこのような表現は大変失礼ではあるが)絶滅危惧II類 (VU)に指定されていた。

ゲンゴロウ、ともに強く生きよう。昆虫は大嫌いだけど陰ながら応援してるよ。

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