【詩】悲しみの星

けっして

悲しむために生まれてきたわけじゃないけれど

身体の底に

悲しみが流れてるときのほうが

自分として生きてることに納得できるから

すき。

悲しみをまとった自分の方が

喜びに満ちた自分よりも

少しだけすき。

安易に同情されるのは

あまり好きじゃないけれど

自分に優しくしたいから

少しだけ悲しみが香るほうの自分を

いつも選んで生きてきた。

道の駅はたまに行くから楽しいところで

近所にあったら鬱陶しいことに

気づいたときの僕の心は

少しだけ優しくなかった。

誰にでも優しい人を見ると

そんな人になれない自分に失望して

あの人のこと嫌いになる。

世の中の悲しみを全部受け止めて

みんなに優しくしてるあの人のことが

嫌いになる。

どうせ僕は

世の中の悲しみをひとつも知らないくせに

自分が世界一悲しい人間みたいなフリをして

騒いで

周りの様子をうかがって

騒いで

周りの様子をうかがって

少しでも都合のいいほうに、いいほうに、

足を動かしている。

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