同窓会

幸せだよってことを、あえてあなたに伝えるまでもなく、けっこう幸せに生きている。比べて仕方のないことは比べずに、水溜まりも避けずに、じょうずに操縦できている。あの子の舞台が上がったからって、わたしの舞台が下がるわけじゃない。こころのスイッチひとつで上がったり下がったり、行きたいところに行けるようになったよ。海が好きだと信じていたのは、海しか知らないからだった。本当は山の方が好きだった、だから何って聞かないで。電話にお金がかかった頃の一秒とくらべると、いまの一秒は質量が下がった。気象予報士が教えてくれた。時効みたいな恨みは大人になっても成仏してくれない。お腹の下の方が痛んだら、なにか、新しくて希望みたいななにか、産まれてくれるんだろうか。

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