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【詩】ブラジルの人には聞こえてます

グレー混じりな藍色の空があけていく
プラネタリウムはまっぷたつに割れ
あいにくの今日がはじまった

地球のちょうど反対側にいる
ブラジルの人、聞こえてますか
僕は満員電車に乗るために
長蛇の列に向かっています

アスファルトから生えてくる
力強い雑草の根っこは
きっとブラジルに繋がっている

僕が握った命綱の
反対側には誰がいる

言葉は分からぬが
「同じ雑草抱えてること」
お互い気付いてる、
ブラジルの人、聞こえてますか

どちらも犠牲にすることなく
同じ割合の幸せ
与えられたらよかった

平等ってなあに
あと公平ってなあに
平等も公平も
みんなの幸せを保証する区切りじゃない
自分だけが損することのないように
区切り合ったり
排斥し合ったりしている

僕がまだ生きているのは
溺れやすい海を創れるほどの涙

流せなかったから


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