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名付けなくていいよ

誰かが「綺麗な梅ですね」と言った

誰かが「桃の花の季節ですね」と言った

僕はこの花が桜だと知っていたけど

褒められちゃったら

「もう梅でいいか」「桃の花でいいか」

花の名前はどうでもよくなってしまった。

そもそも桜は「さくら」が似合っているのか

桜自身は気に入っているのか

わからない。

便宜上、区切ってしまったものたちよ。

「綺麗」って言葉も「綺麗」で合ってるのか

桜の感想は「綺麗」で合ってるのか。

あみさかす

りんららん

まきあす

あの色の、あの季節の、あの大きさの、あの花をひらがなにすると

こんな風に表現したくなる。

そうやって

全てに「似合う名前」を付け始めると

「あれ」「それ」「これ」としか言えなくなってきて

誰とも話せなくなっちゃって

自分の中の「本物」を追い求めると

誰とも話せなくなっちゃって

やっぱり一人ぼっちになってしまう。


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