限りなく透明に近いあれ

それしかできないからそれをする人、で溢れたらいい。ほかのどんなことも続かなかったけどこれはできるよって人、これはやめたかったんだけどこれをしちゃうんだよねって人。

「これをすべきだ」と決めて始めるものなんて偽物だ。そんな人工物は80年で壊される。永遠に生きろなんて言わないけれど、せめて誰かの心を刺し殺してから死んだほうが「生きがいがあった」と思えるものだろう。

生きることとはおそらく誰かの心を殺すこと。依存と言われてしまえば陳腐だけれど、誰かの心ありきのわたしの心。誰かの心を射抜くような言葉、色、音、空気を作り出してそして心を刺した瞬間に生きがいってものを感じるんだ。人を殺して生きている。それをみんなで、殺し合い。

銃のない日本で心を射抜くのは難しいね。見えないものをぶつけては線路めがけて、見えないものをぶつけては線路めがけて、鉄道大国大日本の出生率低下の原因はここじゃないのか、オフィスビルの一角から聞こえる怒鳴り声。こんなんで射抜いてどうするんだよ、こんな射抜き方じゃ線路めがけて一直線。

残されたわたしの青春は、18きっぷ、あなただけ。青春18きっぷを楽しみに生きてる56歳のわたしは金がなくて時間はあって、ああそれが青春だよなあと一人思い出した。


メモ

いなフリで「ライティングは【これ】【あれ】はあまり使わない方がいいよ」って言った。嘘はついてない。だけど【これ】【あれ】だからこそ文章になる表現もあるので、指示語を殺したみたいな気持ちになって自分で嫌だった。だから冒頭を【それ】で始めた。成仏してくれ、指示語。

言葉をはじめ、何かで人間の心を刺す生活をしていたい。だけど心を刺すのは心無い上司の言葉だったり、自殺としての物理的な刃物だったり、イメージと違う。嫌な空気。

青春とは良いものだけど続かないもの。青春を構成する要素は青春18きっぷが教えてくれる。青春とは、時間はたくさんあるけどお金がない状態のこと。だけどワクワクする状態のこと。

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