【詩】安易に消滅する街
街の数が少なくなると
僕の大切な人
僕の大切な故郷も
安易に消されてしまうのだろうか
歩いてきたはずの道が
ただの概念になって
カブトムシがたくさんいた木々も
水蒸気になってしまうのだろうか
緑色した水蒸気
半透明な瓶に入れて
東京まで持ってきたら
アロマオイルみたいに
安易に値段がつくのだろうか
街の数はこれからも
少なくなってゆく
合体じゃ無い
無名の街が増えてゆく
元どおりの自然にしてくれるなら良いのだけど
どうやら人工的なショーケースに
閉じ込められるみたいだ
懐かしい日々はショーケース
もう足を踏み入れられない
懐かしさに触れたら幸せか
もう会えない方がマシかな
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