見出し画像

B.LEAGUEチェアマン就任について

リリースがありましたとおり、本日6月16日の理事会で、7月1日よりB.LEAGUEチェアマン(代表理事CEO)に就任することが決議されました。
2015年から約5年間、B.LEAGUEを成長させてきた大河チェアマンに感謝するとともに、後任としてB.LEAGUEをさらに発展させられるよう奮起する思いです。

6月10日の臨時会員総会にて、チェアマン候補者たる理事に決議された際は、帝国ホテルでオフラインでの会見をさせていただきました。これは私の強い要望で、メディアを通してきちんとみなさまに私の思いや決意をお伝えしたいという考えでした。

会見でもお話をしましたが、改めてチェアマンに決議された経緯や、今後チェアマンとして何を成していきたいと考えているのかをお伝えします。

チェアマン就任への経緯

4月の頭ごろに、野宮拓法務委員長から時期チェアマン候補として声をかけられました。率直に言って驚きました。いまは未曾有の危機であり、非常に難儀な状況です。
引き受けると大変だなあと思いましたが、「やります」と即答しました。やるべきだと直感で感じたからです。大変だと思うからこそやるべきだと。今までの人生、特に経営に関しての判断はそのような直感で決めるようにしていましたし、それが結果的に正しかったと思うことが多いです。そして、私の"やるべきことを、やるべきときに、やるべき者がやる"という考えから、これはもうやるしかないな、と考えました。

チェアマンに就任することになれば、千葉ジェッツの会長・ライジングゼファー福岡のクラブ経営アドバイザー・全日本テコンドー協会の副会長という職務に関しては辞することとし、Bリーグ全クラブが「島田でいこう」ということで支持していただけるのであればお受けいたしますとお伝えしました。

私は25歳のときに起業しまして、いま49歳です。人生の半分を経営に捧げていることになります。旅行業界にいたころは、SARSや通貨危機、米国同時多発テロ、リーマンショックのような危機が何度もありました。千葉ジェッツの経営に携わり始めた8年半前も、会社は火の車で非常に厳しい状況でした。

さまざまな経験をしてきましたが、今回はそれらの危機とは比べ物にならない、世界的にも100年に1度の苦難と言われています。このタイミングでチェアマンはみんなやりたがらないだろうなとも思ったし、喜んで自分が火中の栗を拾わせてもらおうと考えました。

日本プロバスケットボールの歴史において、bjリーグ・NBL・Bリーグという3つのリーグを渡り歩いてきた経営者は私だけと思います。そういったさまざまな経験を持っているということを、各クラブの状況改善に役立てたい。それぞれのクラブのそれぞれ違う事情に寄り添っていきたいです。

Bリーグのビジョン

選手・クラブ・ファン・ブースター・スポンサー・地域、すべてのみなさまとともに、新型コロナウイルスの危機を乗り越えます。

千葉ジェッツのクラブビジョンとして掲げていた「千葉ジェッツふなばしを取り巻く全ての人たちと共にハッピーになる」。個人的な思いとしては、Bリーグチェアマンとしても同じです。Bリーグに関わることでみなさまが幸せになれるよう、尽力します。

そして、Bリーグの上位団体である日本バスケットボール協会(JBA)には、バスケで日本を元気に!というビジョンがあります。表現は違いますが、根底の思いは同じです。Bリーグによる、Bリーグのための運営はしません。
バスケ界はJBA・Bリーグ・Wリーグ・学生・ミニバス・車椅子バスケ界なども含め、一丸となるべきと考えています。Bリーグのため、ではなく、"日本バスケを良くしていくためには、Bリーグをどうしていけばいいか?"というのが行動原理となります。
バスケ界のため、ひいては日本のため、みんなのための運営をする。これからバスケットをはじめようという子供たちや、今後クラブ経営に関わっていく企業とか、目先のことばかりではなく未来を紡いでいくための運営をします。

各クラブ、リーグも含めて財務状況も悪化しています。しかし、1つのクラブも破綻させないということを絶対のミッションとします。クラブの成長なくしてリーグの発展なし、リーグの発展なくしてバスケ界の繁栄なしという私の以前からの考えは変わっていません。

エンドユーザーであるファン・ブースターと一番近い存在であるクラブの成長が、リーグ全体の良い循環を起こすための第一歩です。いまの危機を乗り越えたあとにV字回復できるように努力します。そのためにも、目先の利益だけではなく、Bリーグの社会的意義、社会貢献という面も強く意識していきます。

Bリーグの試合開催について

今年の10月、予定通りの開幕に向けて動いています。クラブ経営における中心はやはり試合です。スポンサーへの説明や、チケット販売のスケジュールなどにも関わってきますので、「試合をするのかしないのかわからない」という状態が、クラブにとっては一番困ります。まず、試合は行うという考えです。

その上で、お客様に来場していただけるかは考えなければいけません。試合開催については、通常開催・制限付き開催・リモートマッチ・中止、という四段階で考えていて、まずはリモートマッチとなるとしても、試合は行おうと考えています。

選手関係者のPCR検査の頻度や、やり方なども含め、しっかり検討していきます。100パーセントの安心安全はありません。しかし、選手たちも含め「これだけやってくれれば納得できる」という仕組みを作って、一緒に頑張っていけるようにします。先行して開幕・再開するプロ野球とJリーグの取り組みなどを参考にしますが、バスケットボールは屋内競技です。野球・サッカーよりも感染対策は厳しくしなければいけないでしょう。

そして、テクノロジーというものが、1つのテーマになってくると考えています。コロナ禍において、SNSなどネット上での発信が改めて重要視されるようになってきました。Bリーグトップパートナー継続を決めていただいたソフトバンク様と協力し、5Gなど新たなテクノロジーを使った新たな観戦価値を作っていきたい。家にいながらにして会場にいるような体験ができる、選手との握手会やハイタッチ会に相当する体験ができる、試合時間に合わせてアリーナグルメを家に配送できるなど、さまざまな施策を一緒に考えていきます。

こういった技術の導入はすでに進んでいましたが、コロナ禍によってさらに進歩せざるを得ないという部分はポジティブにとらえていきたい。必要なテクノロジーを必要な部分に使い、より良い体験を作っていこうということです。

今後のBリーグについて

リーグの社員たちにも考え方を浸透させなければいけません。仕事が受け身になってしまったり、ルーティーンになったり、"こなす"状態になるのはよくない。リーグの仕事はクラブ成長をサポートすることです。どこにエネルギーを使ってほしいということを明確にします。そしてリーグとして彼らの雇用も守ります。

各クラブへのサポートということでいえば、私自身が千葉ジェッツを経営してきた経験からアドバイスできる部分は大きいのではないかと思っています。チェアマンとして全国を飛び回ることになるはずですし、オンラインでも、今まで行ってきた"島田塾"的な勉強会を行うこともあるでしょう。各クラブに対し、暖かくも厳しく成長をサポートしていきたいと思います。千葉ジェッツに関しては当然のことながら贔屓などせず、むしろ厳しく接するつもりです。

オンラインといえば、オンライン会議システムはリーグ内でもすでに定着しつつあります。移動時間を大きく短縮できますし、限られた時間・リソースをフルに使うためにも、今後も活用していきます。経費削減を徹底し、優先順位を明確にし、あぶりだした原資は配分金とは別に、経営に苦しむクラブの支援金に回すくらいのつもりでいます。

そして、エンドユーザーであるファン・ブースターとの距離を近づけたいと考えています。千葉ジェッツの経営に直接の声を多く取り入れてきたというのは、私の一種のセールスポイントです。
組織が大きくなれば、ユーザーの声が届きづらくなり、顧客満足が低下するというのは世の常。SNS等を使い私が直接発信することで、みなさまのさまざまな意見に直接触れていきたい。すべての意見に反応することはできませんが、組織のトップがそういった姿勢を見せることも大事と考えています。「身近なチェアマン」という全く新しいチェアマン像を打ち出せれば。

日本スポーツ界におけるBリーグ

他スポーツとの連携、特にJリーグとは良い関係を築いていきたいと考えています。Jリーグの村井チェアマンともダイレクトにコンタクトを取ることが可能な関係性にあります。コロナ対策に関してもそうですが、さまざまなノウハウを共有することはお互いに有益であるのは間違いありません。

サッカーとバスケはシーズンもズレていますし、両方応援しているというファンも年々増えている肌感覚があります。スポーツ興行という意味ではライバルとも言えますが、それは狭い視点で、広く考えればスポーツで日本を豊かにしていこうという同志です。試合時間が同じである場合や、グッズ購入など、「どちらを選ぶか?」という状況はあるにしても、どちらかが発展すればどちらかが衰退するという関係ではありません。むしろともに発展するべき存在であると思います。

Jリーグに続き、Bリーグがスポーツ振興くじ(toto)の対象になる動きもあります。東京オリンピックが延期となりましたが、小規模なスポーツ団体は運営資金の確保に苦労しています。totoの売り上げは日本中のスポーツ組織に配分されますから、Jリーグ・Bリーグが発展し、totoの売り上げが増えていけば、それは日本スポーツ界全体にとって良いことということになります。

繰り返しになりますが、Bリーグが存在することで日本が良くなる、豊かになるということを意識しなければいけません。そのためにはファン・ブースターのみなさまも大事。選手も大事。クラブも大事。スポンサー・パートナーも大事。そして、Bリーグだけが良くなればいいという考えは一切捨てることが大事です。それもひいてはBリーグのためとなると信じています。


最後になりましたが、来シーズン以降も引き続きBリーグをご支援いただけるスポンサー様みなさまに厚く御礼申し上げます。
さらに、Bリーグ・Bクラブを支えてくださっているファン・ブースター、地域のみなさまに感謝いたします。この厳しい状況を一緒に乗り越えましょう。今後ともよろしくお願いいたします。

この記事が参加している募集

Bリーグ

お読みいただきありがとうございます。記事を良いと感じていただけたら、ツイッターなどで記事を紹介していただけると嬉しいです!