シェア
白井健康
2019年11月6日 10:22
銀貨と背高泡立草が不協和音をかなでるような昼耳朶をもぎ取られたような睡眠が繁茂しているふるさとである空っ風の吹く浜松のじゅうぶんな引力に付着する寒さは静謐な脳髄のような月をかかげては鏡面にすべりおちる鳥の意思をもって空を構築する神の眼のふたつの義眼有機物が無機物に変わるたとえば名字のかわるようにかなしく鳥をうちおとしてしまう日差しへと濃硫酸を流した風景不器用な月のひかりの背部へと蒼く