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白井健康
2019年1月4日 11:54
破れかけた心臓を展示するカフェの通路に並ぶ血抜きのマネキン臨月をうみずきなどと言い換えて膿むつき倦むつき月は朧(おぼろ)に結ぶことのないネクタイをゴミに出す感染してないレグホンみたいに外洋に降りだす雪は眼を無くす導入麻酔のあまやかさに似て世界へと伸びきる護謨に触れてみる両性具有の印度の神の北側のあなたに触れて南下する空のかるさの鳥は色紙突然変異の素足のおもみを引き受けてメンデルのエンド
2019年1月4日 11:51
パステルの一本分の窪みには約束がある冬の色して斑(ふ)に干したシャツから影はすり抜ける行先のない風をよろこびカテーテルを先へ先へと押し入れるいのちと身体の境目辺りへうおが魚と呼ばれたときの不可思議さ水に母音を濯いで掬う冷たくなった父の身体を撫でている清らかな指や淫らな指が父の肺ごうごうとよく燃え盛りようやくそとへでられる/のだろうかれじしんかれじしんしんじつ)風の音は「朕思うに」とう息