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映画、俳句の玉手箱

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映画に関すること、俳句に関することを書いています。
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2022年2月の記事一覧

「ゴヤの名画と優しい泥棒」を観て

「ゴヤの名画と優しい泥棒」を観て

 1961年に実際に起こったゴヤの名画「ウエリントン公爵」盗難事件を題材にした映画です。2021年9月に亡くなったロジャー・ミッシエル監督の遺作となった作品で、英国風のユーモアと風刺に富んだ作品であり、60年も前の事件なのに、今に通じる動機があって、観たあと、いろいろと考えさせられました。同時に、主人公一家を通じて、人が人を思う温かさや尊さを感じた作品です。

1.登場人物

☆ケンプトン・バント

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「前科者」を観て

「前科者」を観て

 岸善幸監督の前作「ああ、荒野」はとても好きな作品でした。今作品も確かに良い話で、俳優陣の演技は素晴らしかったのですが、些細なざらつきが残ってしまいました。後半の展開では泣きましたし、主人公を演じた有村架純のラスト近くの森田剛を説得するセリフは心に響きました。では、自分が引っ掛かった部分は何なのか、少し考えてみました。

1、登場人物

主人公 阿川佳代(コンビニでアルバイトしながら保護司)有村架

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