【詩】愛国者たちへ

この国に生まれても
この国が好きなわけじゃない

この家に生まれても
この家が好きなわけじゃない

日本人が好きなわけでも
家族が好きなわけでもない

故郷なんてない
人種なんて 血縁なんて
ただの呪いのようなもの

天才というのは
ある程度を備えた人のこと
国を愛し 家を愛すことは
一つの才能なのだ

故郷なんてない

それでも何処かに
それでも誰かに
帰りたがっている

国なんてどうでもいいけれど
親を好きになれなかったけれど
そこから外れて
そこから外れて

血は大いに煌めいて
血は大いに沸き立って

命とはそういうものなのだ

たった一つ
不安なことがある

親さえ愛せない俺の愛を
君に疑わせてしまうことだ

それだけは
大いに気掛かりだ

Words:Towl Yoshiyuki

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