【短歌十首】未来 2021年3月号 掲載歌
まだ暗い朝を確認するために選ぶボウタイブラウスの袖
しらじらと宇宙のほどけてゆく様を映すコーヒー両手で包む
シリアルがふやけるけれどやさしくは感じないなら偽善かもだね
馬鹿みたいに電線を吐くこの街へ届く非接触型Fワード
ポッキーのチョコレート側から開けてべたべたにする 爪が伸びたな
2リットルみねらるうぉーたーみねらる、は実らなかったときの動詞、たぶん
歯と爪が同じざらざらだってこと絵日記に描く つめたいなあ、ペン
ガチャガチャを一万円分回しても鍵じゃないから開かなかったよ
スキップができなくってもありったけ跳ねて届いたママのメガネに
ひたすらにアップデートを繰り返す世界の空がまだ青くある
/とわさき芽ぐみ
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