【詩】蓋
蓋を閉める音がする
カチリ、と
嵌まるべき溝に嵌まった
秩序の音色
ざわざわと
影が先に揺れて
肉体のほうが、世界に
遅れて動く
アタマの溝に
嵌まるべき蓋はあるのだろうか
いつまでも蓋をして
見ないように、見ないように
して
瘡蓋はじわじわと
その再生の物語
に
首を振る
縦に?
横に?
擬人化、なんて
おこがましい。
ヒトも 擬態して
いるのだから。
蓋を閉める音がする
何も悟らせないように
四季は地球から溢れ出し
時間は溶けてゆくけれど
数えきれないほどの
瞼が瞼が瞼が
飛び交って
それぞれ新しいまなこに
蓋をする。
※noteの使い方がいまだによく分からなくて、画像のスタイルと少々ずれているところがあります…。(改行したら新しい行?になってしまう…。)
/とわさき芽ぐみ 2021.2.12
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