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10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」④

”アナリストが「買い」というとき、本当は「ホールド」と言っているに違いない。
そして彼らが「ホールド」という時には、「この屑みたいな銘柄を今すぐ叩き売ってしまえ」と言いたいところを婉曲に表現していると考えるべきなのだ”

”証券会社の収益に占める投資銀行業務の比重が高まるにつれて、アナリストの仕事はますます適正な株価評価から遠ざかり、強気の評価につながる投資情報サービスの提供に傾いていった”

証券アナリストに課せられた業務上の目標は、雇い主である証券会社のために、できるだけ多くの手数料収入を上げることにあります。そして多くの証券会社にとって、ドル箱は投資銀行部門なのです。
アナリストは顧客企業の機嫌を損ねると情報が得られなくなるのではないかという心配から、常に「買い推奨」に比べて「売り推奨」を少なくせざるを得ません。かつてドナルド・トランプが発行した債券について「金利が支払われる可能性が低い」として引き受けに反対した勇気あるアナリストは、トランプによる証券会社への脅しで即刻クビになってしまいました。

アナリストがマイナスのコメントを放棄するのも頷ける話です。この結果、インターネット・バブルのさ中には「買い推奨」と「売り推奨」の比率は100対1にまで広がることとなります。


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