10秒で触れる名著

名著の金言を10秒で紹介します。毎日更新。

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  • ウォール街のランダム・ウォーカー

    10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」のまとめです。

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10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」①

”株式投資にとって重要なのは、新しい産業が経済や社会をどのように変えるかとか、どれだけ規模的に大きくなるかということではない。 大事なのは、その産業や企業が利益を生み出し、それを維持していく能力なのだ” アメリカ史を見ると1850年に鉄道は通信及び商業の効率を飛躍的に高めると期待され、実際その通りになりました。しかし当時、鉄道株はどれも投機的な高水準に達し、結局1857年8月にバブルが破綻しています。 20世紀後半には航空機やテレビの普及が我々の生活を大きく変えました。しか

    • 10秒名著「お金は寝かせて増やしなさい」①

      ”投資の世界で最も一貫性のある現象が、平均回帰性である” 平均回帰性とは、短期的にはランダムに発生しているように見える事象であっても、長期的には平均値に収束していく性質のことです。サイコロを振る回数を増やせば、どの出目の確率も6分の1に収束していくという話ですね。 これと同じことが投資にも言えます。経済成長の恩恵を短期間で享受できるかは運の要素が大きく、マイナスに終わることも多いです。しかし数十年単位で経済が成長しなかった事例はありません。資本主義というサイコロでは、不況や

      • 10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」⑤

        ”どうしても売る必要があれば儲かっている銘柄ではなく、損している銘柄を売れ” 個人投資家1万人の取引行動の調査結果には、値上がりした銘柄を処分し、値下がりしている銘柄は持ち続ける強い傾向がみられました。 しかしこのような損失回避行動は、運用理論の下では明らかに間違っています。値上がり銘柄を処分する場合はキャピタルゲインが発生するため、税負担から逃れることはできません。一方で値下がり銘柄を処分する場合は税法上損失が計上でき、課税対象所得額を減額する形で、政府が損失の痛みを和ら

        • 10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」④

          ”アナリストが「買い」というとき、本当は「ホールド」と言っているに違いない。 そして彼らが「ホールド」という時には、「この屑みたいな銘柄を今すぐ叩き売ってしまえ」と言いたいところを婉曲に表現していると考えるべきなのだ” 証券アナリストに課せられた業務上の目標は、雇い主である証券会社のために、できるだけ多くの手数料収入を上げることにあります。そして多くの証券会社にとって、ドル箱は投資銀行部門なのです。 アナリストは顧客企業の機嫌を損ねると情報が得られなくなるのではないかという

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        10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」①

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        • ウォール街のランダム・ウォーカー
          5本

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          10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」③

          ”テクニカル理論は、テクニカル情報を作ったり売ったりする人々と証券会社だけを肥えさせてきた” テクニカル分析を使って相場変動のタイミングを当てようとするのは危険です。株式には長期的な上昇トレンドがあるので、タイミングに備えて現金を抱えていることの機会損失は大きくなります。 1960年代半ばから90年代半ばまでの30年間に起こった大きな上げ相場の95%は、この期間の約7500取引日のうちのたった90取引日に起こったものでした。全取引日の1%強にすぎない90日を外したとすると、

          10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」③

          10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」②

          "どんなにできの悪い商人でも、1ドル札を80セントで売ることはできる” しかしこの1ドル札、本物とは限りません。 コロナ禍に流行した、企業買収のみを行うペーパーカンパニーSPACの謳い文句は「一般投資家が魅力的な株式公開市場に参加して、短期間に大金持ちになるチャンスを提供する」というものです。2020年だけで248ものSPACが組成され、830億ドルもの株主資本が調達されました。 これが本当ならどんなに良い商品でしょう。しかし実態は、証券取引委員会の審査に合格しそうもない、

          10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」②