10秒名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」②
"どんなにできの悪い商人でも、1ドル札を80セントで売ることはできる”
しかしこの1ドル札、本物とは限りません。
コロナ禍に流行した、企業買収のみを行うペーパーカンパニーSPACの謳い文句は「一般投資家が魅力的な株式公開市場に参加して、短期間に大金持ちになるチャンスを提供する」というものです。2020年だけで248ものSPACが組成され、830億ドルもの株主資本が調達されました。
これが本当ならどんなに良い商品でしょう。しかし実態は、証券取引委員会の審査に合格しそうもない、質の良くない企業を無理に公開するための手段でした。一般の出資者たちが約束された分け前にあずかることはなかったのです。
多くの投資家は1ドル札と信じて、屑に80セントを払うこととなりました。
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