プロポーズ直前に振られた話。
「別れよう。」
そう切り出したのはわたしだった。
3月下旬午後4時。今日も鴨川に等間隔で座る人たち。珈琲を片手に歩く2人。側から見れば土曜日に散歩してる仲の良いカップルなのだろう。
今日、わたしたちは別れる。
2月下旬。世間がコロナで空気が変わってきた頃、わたしは3月の沖縄旅行をキャンセルしようと相談をした。
「わかった。キャンセルしよう。」
わたしは去年入院をしていて、このご時世の旅行には抵抗があった。分かってもらえてよかった。また落ち着いたらいけたらいいなそんなことを考えていた。3日後、沖縄いってくると言われるまでは........
「友達と沖縄に行く」あたかも普通かのように言われた。わたしはショックだった。わたしのことを分かってくれてキャンセルもしてくれたのにそう思うと悲しくなり、不機嫌になった。
嫌な雰囲気を感じたのだろうかれはそこから何も言わなくなった。
そして連絡が徐々に来なくなった。
付き合って2年半。お互いの親にも会った。
3年記念日には
プロポーズをするような事も言われた。
こんなにもあっさり関係は崩れるのか。
2月。たしかにまだ世間はコロナを甘くみていた。
彼も普通に飲み会に行きマスクもしていなかった。
基礎疾患のあるわたしは過敏になるほど、手洗いうがいをし休日はあまり外には出なくなった。
意識の差。これがコロナ別れの始まりなのだろう。まさかかれがそこまで危機意識が無いと思わなかった。彼も不安でピリピリしているわたしに何かしら感じでいたのだろう。
久しぶりに会ったのはもう区切りを付けないとと思ったからだ。心のどこかでもしかしたらまだ元に戻れるのではないか、そう思っていた自分もいた。彼と会うまでは。
会った瞬間に分かった。「もう終わりなんだと。」