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いい人に出会えてよかったね。ドイツ生活のぼやき - 22

先日の祝日で、夫と友人とでハイキングに行ったときのこと。

ドイツのまっすぐな日差しの下で気持ちよく歩いてたら、ふと友人が、理不尽な怒りをぶつけてくる上司の話を始めました。そこから、上手くいかなくなった友人とのことや、人間関係にかかわるいろいろな愚痴をああだこうだと言い合っていたのですが、そういえば君たちは喧嘩するのと友人に尋ねられました。私の夫が声を荒げて怒っている姿を想像できないというのです。

よく考えてみたら、確かに私の夫は声を荒げません。大きな声を出すといえば……私のわがままや理不尽な怒りが度を越えたときだけだと思います。

noteでも私のPMS/PMDDが重くてつらいという話は何度か書いているのですが、最近はいろいろな方法でイライラや悲しみの感情を自分の中で処理できるようになってきました。それでも、天候や仕事の忙しさによってはうまくコントロールしきれないこともあります。抑えられない気持ちがこぼれ出てしまうこともあります。「私のことなんてどうでもいいはずだ」と夫に対して不信感を抱いてしまうことさえあります。

そういうとき、夫はとても悲しそうに「これほど君が大切だということを、どうして分かってくれないの?」、「僕はこんなに君が素晴らしいと思うのに、どうして君は自分自身をそんなに責めるの?」と訴えるのです。

その話をポツリポツリとすると、私たちの友人は「歩ちゃん……本当に素敵な人に出会えてよかったね、本当に幸せ者だし、本当に素晴らしいんだ」とまず私に言って、それから夫に「君はなんて優しくて温かい人なんだろう、ああ嬉しい」と言い、「なんだか涙が出てきてしまう」と目を潤ませていました。

そんな、大げさなとも思うのですが、「いい人に出会えてよかった」というこの一言が、私の最愛の人だけではなく、私の過去と現在の選択のすべてをも肯定してくれたような気がして、とてつもなく嬉しくなって、つられて目を湿らせて、戸惑い照れる夫を巻き込んで、みんなでわっはっはと笑いあったのでした。

こんなに心の優しい友人が私たちのそばにいてくれるということも、とっても素晴らしいことだと思うのだけど、急に恥ずかしくなって、それは口に出せませんでした。


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