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追悼ロビー・ロバートソン。ガース・ハドソン長生きしてね(辛くない程度に)。

ソロ、映画音楽、プロデューサー、ここ40数年はそうだったけれど、個人的には出会いがThe Bandのギタリスト、メインコンポーザーとしてだったから、やっぱりそのイメージ。

ラストワルツでは声出してないのにコーラスを口パクしてたり、近年の映画”Once were brothers”では徹底した自分史観を貫いて他メンバーの不祥事をあげつらったり(確かにロビーだけはクリーンな生活をしてたようではあるけれど)。なんとなく、曲の美しさとパブリックイメージが重ならない人だった。
ギター面でいうと、悪い意味ではなくこちらも文化人的なイメージと違った、獰猛なプレイ。時に端正さもありつつ。アンディ・パートリッジ(XTC)やロバート・フリップ(King Crimson)と通じるところがあったかも。

ザ・バンドでは珍しく歌ってるこの曲、ふっと頭に浮かんだけど、本当に美しい。

The Bandのオリジナルメンバー5人。リヴォン・ヘルム(Drums, Mandolin, Vocal)、リチャード・マニュエル(Vocal, Piano, Organ, Drums)、リック・ダンコ(Bass, Violin, Guitar)、ガース・ハドソン(Organ, Piano, Synth, Sax)、そしてロビー・ロバートソン(Guitar)。

残ったのは最年長のガースだけ。今年86歳。

そういえば、松任谷正隆 著「僕の音楽キャリア全部話します―1971/Takuro Yoshida-2016/Yumi Matsutoya―」に松任谷氏が一緒にやってみたかったミュージシャンの1人としてガースが挙げられている。そして、吉田拓郎から聞いた話も出てくる。以下に引用する。

「拓郎は『Shangri-la』というアルバムで、ガースにアコーディオンとサックスを演奏してもらっています。それでね、帰国して言ったんですよ。「ガース・ハドソン、大変だったんだよ! 何時間もやめないんだよ」って。それまで、僕たちは、ガースに対して演奏を一発でOKにするおおらかさなイメージを持っていたんですけれど、まったく違ったらしい。一小節、二小節でも、納得できるまでスタジオを去らなかったそうです。」

Classic AlbumsシリーズでThe Bandのセルフタイトル作が取り上げられてた時も、インタビューシーンなのに延々とオルガン引き続けるシュールな場面があったけど、本当に根っから楽器で語る、表現への執着が強い人なのかもしれない。長生きしてほしい。延命とか大変じゃない程度に。

そして、ロビーのこと、しばらく考える日々が続きそう。

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