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時雨々
2020年6月10日 01:01
ある日、学校で泣いている少女を見掛けた僕は、どうしても彼女を放っておけなかった。放課後の教室で、俯いて涙を溢していた彼女に、僕は声を掛けた。夕暮れが彼女の涙を光らせて眩しい。僕は彼女の名前すら知らなかった。訊き出すのはなんというか気まずいから、まずは自分から然り気無く名乗る事にした。そうしたら彼女は小さく「──宇賀、瞳」と呟いた。そこから僕たちがどんな話をしたかは覚えていないが、しばらく話