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案ずるな、TRPG(わたし)はそんなに怖くない

 TRPG……それはある種のオタクにとって究極にて至高の遊びであるッ!

 何せ 『自分が考えたキャラ』 が、特定の世界観・特定の法律(ルール)の上とはいえ、自由に喋らせたり、恐ろしい敵と戦ったり、時には共闘した他のプレイヤーが生み出したキャラと愛や友情を育んだりする事が出来るのだ。

 一次創作で自分の持ちキャラは存在するものの、そのキャラを使っての作品を出す機会がない民などに、TRPGという場は打って付けと言えるだろう。

 また、漫画やアニメ、映画などを見て。

「復讐は何も生まない……!」
「確かにそうかも知れないな、だが俺が楽しいからする。それだけだ」

 みたいなやりとりしてぇなぁ……とか。

「か、か、金ならあるぞ! だから命だけはッ……」
 と狼狽える金持ちの悪役、やってみてぇなぁ……とか。

「貴方に会えた、貴方と過ごした、その時間はとても短いけれど……私はその時を思い出して、永遠に一人でも生きていける……」
 みたいな、エモーショナルな台詞を吐くヒロインで他のプレイヤーキャラクターの心に傷を負わせてぇなぁ……とか。

 そういった欲望がね、叶えられるかもしれないんですよッ!
 そう、TRPGならね!

 とはいえ、TRPGはやはり『敷居の高い』ゲームです。
 最近ではリプレイ動画などの普及により、以前より『名前はしってる!』という人は増えてきたかな、とも思います。

 面白い動画作者さんたちのプレイを見て『自分もやってみたい!』と思う人も増えてきたんじゃないでしょうか。

 今日はそんな 『TRPGをやってみたい』『でも、どうやったらTRPGをやれる機会があるんだろう?』『どういう風に声をかけていいか分らない』『そもそも何が必用なの?』 という子羊ちゃんたちのため、TRPGをやる時に必用なものを説明していきますね。

 TRPGをやれ、そして沼に落ちろ!

TRPGに必用なものその1 : 一緒に遊んでくれる人

 TRPGにおいて、最も必用であり、そして最も得がたいもの……。
 そう、それが一緒に遊んでくれる 『同志』 です!

 TRPGは最低でも 『GM(KP)= 司会進行役』 が一人と、プレイヤーが1人、二人いなければ成り立たないゲームなので、最低でも自分を含めてあと一人、一緒に遊んでくれる人がいなければいけないのですが……。

 なかなかどうして、それが一番難しいッ!

 何せTRPGをプレイする同志は、最低でも。

・TRPGに興味がある
・一緒にプレイする時間が充分にある
・TRPGのルールを所持している、ある程度知っている

 こういった条件が揃ってないと……一緒に遊べないのです!
 だからといって、 『とにかく遊びたい! だけどメンバーがいない!』 というGM都合orプレイヤー都合で、特にTRPGに対して興味もなければ感心もない人物を強引に誘ったりするのも、お兄さん個人的には『NG』だと思っています。

 何故なら、TRPGというのは何かと『時間のかかる』遊びです。
 皆でリアルに顔をつきあわせ、話ながらプレイしても1時間以上かかる事はザラ
 テキストセッションになると、時に数ヶ月単位の長丁場になる事すらあるのです。

 そんな長時間、特に興味がない人を拘束するのはあまりにも酷だと思いませんか?

 最初は分らなくても、やってみれば、楽しいって!
 ……確かにそういう事もあるでしょうね。

 ンでもそれは、『特に興味がないけど誘われてしまった人』に対して、最大限のフォローをしている時にだけ成り立つ言葉だと思うんですよ。

 TRPGって、興味ない人はホントに興味がない状態……白紙の状態でやってきます。

 TRPGがどういうモノだかは勿論分らないし、TRPGで遊ぶ世界観が現代なのか、疑似中世なのか、はたまたSFなのか、1920年のアメリカなのかも知らないで椅子に座らされ、GMという説明係がアレコレ状況を説明してくれていても、そのTRPGを遊ぶために学んできたプレイヤーと比べて、知識は雲泥の差。GMの説明、その意味も分らないまま話が進み、他のプレイヤーから「サイコロを振って」と言われてふってみて、そのサイコロがどういう意味なのか分らないまま、周囲が笑ったり、リアクションしたりしている……。

 こういう輪に入れられてしまうのは、あまりにも残酷じゃないですかね?

 そうして無理矢理、頭数に入れたとしても、例えば事前に。

『頭数さん(仮名)は初めてだから、この世界観を説明するね!』
『これは、中世ファンタジーの世界で、剣と魔法の世界。神様が実在して、奇跡もおこしてくれたりするんだ』
『頭数さんは、今回初めてだから後方で様子を見てくれるだけでもいいよ。特に死ににくい回復系の職業にしたから、他のみんなは頭数さんを守ってあげてね』
『頭数さんも、わからない事があったら何でも聞いてね』
『他のプレイヤーさんも、頭数さんにも話をふってあげてね』
『頭数さんは、無理に演技とかしなくていいよ。ただ、何となく知らない言葉とか、そういう事があったら発言してみてね』
『話す台詞が出てこない時は、○○したいとか、なるべく優しい言葉で聞いてみるとか、そういった行動宣言だけでもいいよ!』
『今、頭数さんが聞いてくれた事はとっても大事な話だよ! ありがとう!』
『頭数さん、回復をした方がいいよ。○○さんに回復をお願い。○○さん、回復したらお礼を言ってね!』

 ……と、この位の手厚さをしてやっと、頭数で入れられた人がその『輪』に入れた、という気持ちになるんじゃないかなと思います。

 それくらい、興味のなかった人の興味を向けるのが難しいジャンル
 それがTRPGなのです。

 そして、こうして無理矢理頭数に入れられてしまった民のフォローをせずにTRPGに参加させられると、その時に頭数になっていた人は後にこんな感想を抱くのです。

『以前、TRPG参加したけど、サイコロふらされるだけで面白くなかった』
『TRPGは回りだけ盛り上がって、自分だけ置いて行かれる気がする』
『TRPGにいい思い出はない……』

 あぁ、貴重な!
 貴重な才能の芽がッ!

 ……俺としては、TRPGは完全にオタク向けの遊びだと思います。
 特に、TRPGは。

・一次創作、オリキャラを作るのが好きなオタク
・ボードゲーム、カードゲームなど人を囲んで遊ぶのが好きなオタク
・舞台劇など、リアル感・ライブ感の演技を見るのが好きなオタク

 などは、適正◎!
 さぁすぐルールを買って卓を囲もう!

 そんなワケで比較的に、常に人材不足なのがTRPG界なので、 『なんか、みんなが楽しそうに遊んでいる! 私も楽しく遊びたいから仲間に入れて!』 という人に対しては 『どうぞどうぞ!』 と喜んで招き入れてくれる事が多い場でもあります。

 だけど、そこで『入っていく側』も注意していただきたい事があります。
 それは、TRPGというのは 『コミュニケーションのやりとりがとても重要』 だという事と、TRPで遊ぶプレイヤー側も 『一定量の知識が求められる』 という側面があるという事です。

 TRPGは『GMとプレイヤー、皆で作る場所であり、皆が参加者』という遊びなので、その中で『私はお客様だから、何でも教えてね』というスタンスで入ってしまうと、一気に置いていかれてしまうのです!

 先ほどの頭数さん(仮名)の場合、全く知らないのが前提で無理矢理入れられてしまったから、相応にフォローをする必用がありました。
 ですが、『自分からやりたい』と言い出したTRPGプレイヤーに関して、TRPG民はフォローの度合いがやや下がってしまう傾向があるのです。

 何故なら! 大概のTRPG民は『自分がTRPGで遊びたいから、ルールを読んで世界観を学び、判定の必用な時や敵の強さなど、プレイヤーとしての知識を培ってきている』という人が多く、『自分から遊びたい』と言い出した人も、自分と同じように『事前にルールブックくらい読んできてるだろうな』と……思いがちなのですッ!

 逆説的にいうと……自分から遊びたいと言いつつ、何ら勉強もしてこないタイプの……こう、私を接待して、私を楽しませて欲しい! という態度をおとりになられる方はあまりTRPG向きではないというか……お金を払うとそういったお接待が得意な接待を伴う飲食店などがありますので、そちらに行った方が良いような気がしますけどね。

 TRPGを遊ぶ民は、無料であなたを喜ばせるための喜び隊ではありませんッ!

 そんなワケで、とにかく 『お友達の確保』 が難しいのがTRPG界。
 そんなTRPG界、遊んでみたいけどどうやって仲間を作ったらいいんだ! という民も多いはずなので、とりあえず俺が個人的にオススメの方法をいくつかピックアップしますね。

・TRPGを遊んでいる知人、友人に混ぜてもらう
 TRPGをやってる知り合いほど、良い間口はありません!
 TRPGはお互いの性格や価値観のすり合わせが大事なジャンルでもありますので、最初からお互いの性格などをある程度把握している見知った人、身内で遊ぶのは最もメジャーかつベターな入り方と言えましょう。

 とはいえ、TRPGの民は『TRPGをやりたーい!』と言っていても『TRPGに本当に誘っていいのかな?』と相手を計りかねている事も多々あります。
 TRPGをやればやるほど、長いTRPG生活の中で、人間関係に摩耗してしまった民も少なくないから仕方ないね!

 故に、TRPGは『誘われるのを待っている』より『誘ってくれそうな人にはアタックをかける』方がより、早くTRPGに結びつく傾向があります。

 良い子のみんな! TRPGを遊んでいる友人を大切にしような!

・TRPGの知り合いが連れて来た知り合いと遊ぶ
 TRPGはおおむね、2~3人以上で遊ぶもの。
 初めてプレイした後、GMがご一緒した友人・知人などと仲良くなり、相性や価値観などが一緒だなぁと思ったら、その人と卓を囲むというのもアリです。
 とっかかりができたら、次はせっかく結んだ縁を大事にしてくれよなッ!

・コンベンションに出かけてみる
 コンベンションとは、簡単に言うとTRPGをみんなで遊ぶ会みたいな企画です。
 2020年、コロナ禍においてコンベンションを開催している所は減ってきていますが、コンベンションは初心者でも丁重に解説してくれたり、ルールブックが未所持の状態でも快く受け入れてくれる所が少なくないです。
 また、コンベンションは実際に『人と人』でTRPGをプレイできる場なので、その臨場感などを味わう事も可能。
 色々な出会いの可能性、プレイスタイルの可能性などを見るのに打って付けと言えるでしょう。

・オンラインで初心者向けのセッションを探してみる
 最近、TRPGの場はリアルな『人と人』が対面するだけではなく、オンラインツールを使ってのインターネット上で遊ぶ事も可能になっております。
 オンラインセッション用のSNSなどもあり、そこでは 『初心者歓迎』 の看板を掲げている所も少なくありません。
 興味のあるルールやシナリオがあったら、思い切って飛び込んでみましょう。

 ……こうして改めて見ると、やはりTRPGで一番求められて、一番得るものが難しいのは 『一緒に遊んでくれるお友達』 ですね。

 みんなはTRPGを遊んでくれるお友達を、大事にしていこうな!

TRPGに必用なものその2 : ルールブック

 TRPGは 『自分の好きなキャラを自由に動かせるごっこ遊びの場』 ではありますが、好きなキャラを動かすにはその『舞台』が必用であり、その世界には一定の『ルール』が必用です。

 正義の味方も、倒すべき悪がいなければただの暴力野郎なんです。
 イケメンキャラも、モテるべき相手がいなければイケメンの無駄使いなんです。

 そういった世界観や、その世界にあるルールをGMとプレイヤーの間に共通認識にするために存在する冊子……。
 それがルールブック(るるぶ)なのですッ!

 えぇ、TRPGと一口にいっても世界観は様々ですし、プレイヤーキャラクターが置かれる立場もまた色々です。

 中世ファンタジーの世界で、英雄になるため冒険者として日々切磋琢磨する世界観(例:ソードワールドシリーズ)もあれば、日常の中に潜む怪異に触れ、絶大な大きさの存在を前にただ無力な人間の力を感じるような世界観(例:call of Cthulhu)もあります。
 普通の日常を送りつつ、実は異能の力を持ち影ながら世界を守る(例:ダブルクロスシリーズ)や、果てはディストピアの世界でお互いを騙しあいながら任務を果たしていくような世界観(例:パラノイア)なんかもあります。

 ルールブックにはそんな世界における『王国の制度』や『冒険者を見る周囲の目』といった世界観や、『邪神の恐ろしさ』『勝てる敵、勝てない敵』のデータ、『プレイヤーとなってやるべき指標』など、色々記載されているんですよね。

 TRPGをやり、キャラクターを自由に動かすには 『自分が過ごす世界がどんな場所なのか』 を知るというのは大事な要因の一つであり、ルールブックはそれを説明する『お土地柄ガイド』という重要な役割があります。

 また、TRPGにおいて『戦闘』や『交渉』その他、『誰かの秘密を暴くための調査』などはそれが成功しているのか失敗しているのか、時に判断する必用が出てきます。
 こういった大事な判断を決めるのはGMの役割ではありますが、その局面で『GMがこの展開にしたいから成功』『GMがこのプレイヤーは嫌いだから失敗』のような私情が入ってしまうのはダメですよね。
 そうならないよう、『ルールブック』には判断が必用な時、その正否を判定するための『方法』が書いてあります。

 その世界で生きるキャラクターを作る時などにも必須なので、是非ともルールブックは手に入れておきましょう!

 ……とはいえ、TRPGのルールブックはわりとお高いものも多いです。
 1冊で5000円以上するルールも少なくないので、あまり本を買わない人やあまり自由になるお小遣いのない学生さんからすると「高ッ!」と思ってしまうやもしれません。

(本を買う民は、『本屋に入ったら気付いたら諭吉が一人、二人行方不明になっていた』 という諭吉失踪事件を何度も体験していると思うので、本を高いと思っていないからとりあえず外しておきます)

 ルールブック未所持でもOK……という卓も少なくはないですし、そのTRPGにある世界観やルールなどが自分に会うか会わないかも分らないうちから、いきなり5000円の本を(しかも結構デッカイ本を)買うのは確かに勇気が必用な事でしょう。

 今はルールブック未所持の善し悪しはとりあえず、置いておく事にします。(俺自身は、ルールブック所持必須派のGMですが)
 ンでも、ルールブックがない事はメリット/デメリットを考えた時にやっぱりデメリットのが多いんで、それはお伝えしておきますね。

ルールブックがある事によるメリット

・情報共有がスムーズにできる
 同じルールをもっているので、「ルールの何ページを見て」という一言で町の雰囲気や、戦闘上のルールなどを一言で説明できるのはGMもPLも精神的負担が減り、説明の手間が省けます。

・わからない処理に関して、GMやPLと確認・相談ができる
 GMだって人間なので、時にルールを失念していたり、ルール上どうやって判断をしていいかわからない、という局面があったりします。
 そういう時、皆でルールを確認しながら「どういった処理が理想なのか」を相談するのに役立ちます。

・ルールブックが実はメチャクチャに破天荒なのを知る事が出来る
 ルールブック。
 いかにも厳粛な名前であり、メガテンの属性でいう所の「Low/Light」ってイメージを抱きそうですが、実際の所ルールブックは非常にカオスです。もうマジで「Chaos/Neutral」って感じです。


 あれ、戦闘の処理って何処だったっけ?
 あれ、この技能の説明は……?
 町の設定がどこかにあったはずなのに、おかしい、どこにもないぞ……。
 回復の技能、使い方は……?
 このスキルどのタイミングで使えばいいんだっけ?

 そんな大事な情報をまとめておかず、飛び飛びで説明している事なんてザラです。むしろまとまっているルールブックなんか見た事ないッ!
 そして「ルールブック、実は自由奔放」である事実。これは実際にルールブックをもってる人じゃないと分らない悲鳴なのです!

 この、ルールブックそのものがストレス値を上げている事実を共有できているだけでも、ルールブックの存在価値はあると思います。

・ルールブックを作っている会社にお金を落せる
 ルールブックを持つ事による『最大のメリット』そう、それは『そのTRPGを作ってくれた人々に、感謝の資本提供』ができるのです!

 TRPGはわりと奥ゆかしいジャンルなので、TRPGを作っている企業やメーカーなんかに直接お金を使えるのが、ルールブックだけしかないという事がしばしばあります。

 この手のエンタメ業界では 『人を楽しませるのが最大の喜びだろう』『楽しんでいる人がいるだけで報酬だろう』『金、金、金と、金の亡者みたいな発言をする人ばかりだと楽しむ気が失せる』 等という、『芸術・音楽・漫画のような娯楽作品を作る人々がお金を求めるのは疚しい』 みたいな論調で話す人も少なくないんですがね。

 うるせぇよッ!
 お前たちは資本主義社会に生きているんだぞッ!
 金がなければどんなに良いコンテンツだって続ける事が出来ねぇんだよッ……!
 市場で大事なのは『どれだけ経済を動かしているか』という事実であり、『金にならない』のが分ってしまったジャンルは……衰退するんだよッ!

 ……というのが現実……現実なのでッ……!
 TRPGを長く楽しめる趣味にするためにも、ルールブックを購入して企業を応援してあげようね!
 お兄さんからのお願いだよッ!(メリットの説明が最終的なお願いになってしまった件)

ルールブックをもたない事によるデメリット


・自分のやるべき判定や処理が正しいのか確認できない
 事前にある程度、ルールを説明されたとしてもやはり自分で「ここではこの判定でいいのか」「他に方法があるのではないか」というのを判断できないのは、TRPGというゲームを遊ぶ上でかなり不利です。
 GMが隠していたとか、そういう悪意がなくてもGMが失念していたり、そもそもGM自身が知らなかったルールというのが、TRPGには時々存在します。
 勿論、時には『それをされたくないから』という悪意からあえてPLにそのルールを公示しないというGMだっているのです。
 そういった、プレイヤー側が不利益を被らないためにも、手元に自分のルールをもちそれを確認できるという環境があるのが「ベネ」というワケですね。

・説明された世界観しか知る事が出来ない
 ルールブックには詳細に世界観や設定などが記載されています。
 ルールブックをもってないと、細かい設定や世界観の全てをGMが説明するのは不可能なので、都合の良い場所や必用なところだけしかセッション中は説明をしませんが、それは仕方の無い事ですね。
 全部を説明していたら時間がかかりますから。
 それはつまり、GMや他のPLが発言した事しか、ルールブック未所持者は知る事が出来ないというワケです。
 ひょっとしたら、自分の知らない場所でもっと魅力的な世界観があるかもしれない。もっとスゴイ敵や、カッコイイNPCがいるかもしれない……。
 そういう部分を『知れない』というのは、やはり『世界観の損失』といってもいいでしょう。

・自分のできる行動が限られてしまいがち
 結局、ルールブックをもってないとGMや他のPL、あるいは動画やリプレイで見たような行動がそのプレイヤーの限界になってしまいがちなんですよね。
 ルールブックをもっていれば『この敵の強さはおおむねこの位だが、このPCはそれを知らないから気楽に倒せそうだと考えるかもしれない……』みたいなキャラクターを演じる楽しみとか『この職業でプレイしている人は少ないが、実は逆境の局面で凄く活躍するスキルが一杯ある』とか。
 そういった知識が入ってこないんですよね。
 知識の欠如は、できる行動が狭まります。

 自分のPCの生殺与奪の権利を他のPLやGMに握らせるなッ!

・TRPGを作っている会社に恩恵がない
 資本主義社会においてデメリットでしかない。
 ギルティ。

 ルールブックをもつメリットとして他にも「モテるようになった」「以前より筋肉がついた」「カリスマ性に磨きがかかった」「可愛いネコと生活できた」など、沢山の喜びの声が寄せられています!
(※個人の感想であり実際の効果を示すものではありません)

 こうしてみると、ルールブックをもたないデメリットはとても大きいですね!
 良い子のTRPGプレイヤーは、是非ともルールブックを手に入れて、セッションに挑んで欲しいものです。

TRPGに必用なものその3 : ダイス

 ダイス……そう、サイコロはTRPGで多く、判定(ジャッジ)に使われるアイテムです。

 オンラインセッション……インターネット上で遊ぶTRPGではダイスが振れるツールも多いですが、オフラインセッション……対人でのセッションではダイスを振る機会が多いので、オフラインセッションをやる予定の人は是非、マイダイスをゲットしておきましょう。

 ダイス(サイコロ)といえば一般的にスゴロクなどで使う六面体のダイスがメジャーかと思いますが、TRPGでは10面体や4面体など、普段あまり見ない「まきびしみたいな形」のダイスも結構使ったりします。

 ルールによってはダイスだけでなく、トランプカードや特殊なカードなどを使う場合も……。
 いにしえのルールでは、お面なんかを使う事もありましたね!

 どのダイスを使うにしても、TRPGで使うダイスは1つではない場合が多いです。
 6面ダイスが二つだけでOKなルールもあれば、10面ダイスがそれでこそ20個あっても足りない……といったルールも存在します。

 そのあたりは、ルールブックを確認したり、GMに聞いたりして幾つくらいダイスをもっていたらいいか聞いておきましょう。

 余談ですが、TRPGをはじめると、何故かダイスが知らないうちに増えているという現象によく遭遇します。
 ダイスも繁殖するんだなッ!

TRPGに必用なものその4 : 筆記用具

 こちらも、オンラインセッションだとメモ書きが残せるツールがあったり、自分なりにメモ帳で進捗をまとめたりする事が出来たりしますね。

 しかしオフラインセッションだと、基本的にキャラクターシートもHPやMPの管理なども手描きで行われますんで、筆記用具は必須になります。

 また、オンラインセッションでも自分用に「セッションのメモ」をつくって、手描きでちょこっと残しておいたりすると、わざわざパソコンやスマホを取り出さなくてもセッションを振り返る事が出来たりして、楽しみが増えるかもしれません。

 筆記用具はすぐに準備できるものですから、オフラインセッションで忘れたりしないよう気をつけていこうねッ!

TRPGに必用なものその5 : 時間

 TRPGは時間がかかる趣味です。
 コンベンションでは1回で終るように単発シナリオを組む事が多いですが、それだって1日がかりのシナリオになる事もあります。

 これがオンラインのテキストセッションだとさらに時間がかかったりします。

 不定期な仕事をしていたりすると、予定を調整するだけでもなかなか難しいなんて事もしばしばあります。

 時間に余裕がある人・事前のスケジュールの見通しが立ちやすい人、決まった日に休みがある人にとってわりと遊びやすい趣味なんですが、不定期な仕事だったり夜勤があったり、休みがまちまちだったり……という人はなかなか遊べる時間が限られてしまいがちです。

 楽しい趣味ではありますが、自分を大事にしてこその趣味!
 無理をしないで日程を組むよう心がけましょう。

TRPGに必用なものその6 : 元気な身体

 元気があれば何でもできる!
 逆にいうと、元気じゃないと色々できないッ!

 というワケで、身体は大事にしていきましょう。
 TRPG、オンラインセッションは長丁場になりやすいので、肉体と精神をきちんと整えていと健やかに過ごせるよう生活してください。

 単発のセッションに参加するため、コンベンションに行く時も体調不良の時はくれぐれも無理しないように。

 無理をして長期のセッションに耐えられなくなってしまうのもナンセンスですから、自分の生活! 身体! 第一にしていこうなッ!

TRPGに必用なものその7 : 楽しもうという気持ち

 TRPGの「ゴールデンルール」の一つにこんな言葉があります。

 GMやプレイヤーたちが満足し、楽しんだ結果に向うためなら、時にはルールブックのルールさえ無視する事も厭わない。

 TRPGは「GMとプレイヤー、皆で物語りを作っていく」ものであり、できれば全員が納得するような物語を作っていけたらなぁ……とも思います。それがビターエンドだったとしても、皆で作り上げて振り返った物語を思い出した時 「あぁ、楽しかったなぁ」 と思えてもらえれば、GMも、参加したPLも 「良かったなぁ」 と……そういう思いになれたらいいなぁ……と、思ったりするワケです。

 だから前提からして 「楽しむつもりがない」「楽しませるつもりがない」「楽しませてもらいたい」 みたいな人達とは、どうしても 「次は一緒に遊びたくないなぁ……」 って感じになっちゃうんですよね。

 TRPGは、「楽しかった」と言ってくれる人と遊びたい!
 基本的には一緒に遊んで楽しい人と遊びたいものです。

 だからTRPGに行く時は、緊張するかもしれませんが 「思いっきり楽しむぞ」 という気持ちを一緒に連れて行って下さいませ。

そんなこんなで

 TRPGをやりたい、やってみたい、でもどうしたらいいの?
 そういう初心者さんのために、分りやすく必用なものを解説してみました。

 どうですか? 分りやすかったですか?
 TRPGというがこれで怖い世界じゃないというのは伝わりましたか?

 えっ?
 なんか初心者向けとかいいつつ、ものっそい勢いで矢継ぎ早にたたみかけてくるのが怖い?
 面倒くさい早口のオタクみたいになってる?

 ……あぁそうだよッ!
 TRPGなんてなッ、面倒くさい早口のオタクがいーっぱいいるジャンルだよッ!

 というワケで、面倒くさいオタクよりどりみどり!
 TRPGの沼に入って、キミも元気に面倒くさいオタクになりましょう!

 俺やGM、PLたちは、キミがTRPG沼に来るのをいつだって待っているぞ!

おまけ:TRPG用語

 TRPG民がよく使う用語をメモしておきました。

GM(ゲームマスター)
 TRPGにおいて、シナリオの司会進行役。
 世界観の説明、ルールの把握、シナリオの進行、時間の配分などやる事が多いのでいつも忙しくいつもテンパっている。
 TRPGの進行上、物事を決める時はGMとPLが相談しすり合わせていく事が多いが、最終的な決定権はGMにある事が多い。
 困ったらGMに色々聞こう!

 ちなみに、ルールブックにおいてGMの呼び方は変わる事がある。
 call of Cthulhu(コール・オブ・クトゥルフ/COC)だとKP(キーパー)、ヴァンパイア:ザ・マスカレードだとST(ストーリーテラー)になったりする。(ただ、役割は基本的に同じ)

PL(プレイヤー)
 TRPGで、GMとともにシナリオを作っていく面々。
 シナリオによって人数は変わるが、1~5人で遊ぶ場合が多い。
 GMが司会進行役ではあるものの、PLもまたGMのサポートをしてルールブックを読み返したり、意見をすり合わせたりしていくという、大事な役割を持つ。
 GMとPLは、時に共闘関係として同じシナリオを作っていく同志なのだ。

PC(プレイヤーキャラクター)
 PLが作り出した可愛い我が子たち。
 ものすごい厳つい男が可愛JKのキャラクターを「~だにゃぁ」と言いながら演じたり、いかにも可憐な美少女が組長の息子という設定のキャラクターを「何だワレ、若い衆。こいつニシ向かせとけ」と言ったりするのを目の当たりにできるのも、TRPGの醍醐味だぞ!

セッション
 GMやPLが揃ってシナリオを遊ぶ事を「セッション」と呼んだりします。
 シナリオが始まってから、解散するまでのコマ単位として主に使いますね。
「今日は22時からセッションがあるから~」
「今日は0時までセッションの予定だから」
 みたいな使い方が多い気がします。
 卓、とあんまり変わらない使い方をされてる気もします。


 GMやPLが集まってシナリオを遊ぶ、そのメンバーなんかをよく「卓」とか「卓を囲む」なんて言い方をします。
 なんか麻雀みがありますね。
「毎週火曜日は定期卓の予定だから……」
 といえば、毎週火曜に同じシナリオを同じ面子で回すという事です。
 セッションと同じように。
「今日は22時から卓が入ってるから~」 なんて言い方もしたりします。
 ンまぁ、『セッション』も『卓』もおおむねTRPGで仲間と遊ぶよ、って意味でとってくれても大丈夫でしょう。
 知らんけど。

るるぶ
 ルールブックの事を略して「るるぶ」と言う事がある。
 某旅行の名所や良き宿を紹介してくれている雑誌とは無関係だが、ルールブックもそのシナリオの名所や良き敵などを紹介している点では近いかもしれない。

オンセ
 オンラインセッションの略。
 インターネット上にあるTRPGで遊べるツールなどを用いて、オンラインでTRPGを遊ぶ事。
 チャットを用いた完全テキストセッションから、通話機能のあるツールを用いたボイスセッション。
 通話とチャット両方を利用した半ボイス、半テキストセッションなどが存在する。
 オンセ3倍の法則、という言葉があるが、おおむねオンラインセッション、かつ完全テキストセッションだと、プレイ時間が対面でするセッションの3倍ほどかかる傾向があり、わりと長丁場になりやすい。

オフセ
 オフラインセッション。
 オンラインツールを使わず、対面で行うセッションの事。
 インターネットもない時代、当然TRPGはこの「オフラインセッション」が普通であったので、これは「オンラインセッション」という概念が出た後から生まれた言葉。
 昔は「セッション」=「オフラインセッション」なのでただセッションと言われていたが、今はオンラインセッションと区別するために「オンセ」と「オフセ」で使い分けられるようになった。
 新しい時代、感じちゃうねッ!

東吾さん
 この記事を書いた人。
 普段はTRPGのGMをしたり、シナリオを書いたりしているよッ。
 たまにPLもやるよッ。
 主にインセインのGMをやるので、「TRPG初心者だけどインセインやってみたい」という方は気軽に連絡をしてください。
 貴方のスムーズな沼入りを応援しています。

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