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オタク漫才:同人誌即売会

 コロナ禍でも少しずつイベントが再開されつつある昨今。
 皆さん最大限に気をつけて参加しているけど、再び現れた新たな刺客・オミクロン株の恐怖にて二の足を踏んでる人もまた増えたのではないでしょうか。

 早く以前のように安全に楽しくイベントに参加したいですね。
 その思いを漫才にしました。

 聞いてください。

「はい、どうも~。相変わらずコロナ禍でね、いろいろなイベントが自粛されておりますけど、どうですか? 最近どこか行きました?」

「いや、全然行ってないよね~。やっぱり自分たちもこうしてお客さんの前でネタやってるでしょ? あんまり売れてない芸人ではあるけど、他に出てる芸人さんはビッグだからまぁまぁ、この狭い箱にもね。多ければ二桁くらいは人きてくれてるじゃない」

「確かにね、目当てはみんなこの後に出るEX○Tさんとかですけどね」

「でも、お客さんあっての俺たちだから。やっぱりうかつに外出てウイルスとかもらったら怖いでしょ? 世の中コロナだけじゃなくインフルエンザとかもあるし。感染率の高いウイルス背負ってくいて辛い病気にお客さんを罹患させる訳にもいきませんし。そもそも、自分がかかったら辛いのもいやですからね」

「偉いな~。じゃ家でずっと引きこもり生活?」

「引きこもってずっとFA○ZAの世話になっておりました」

「駄目だこいつ! それは胸の内に留めておくTwitterの裏アカウントだけで明かしといて! 最近そういうのデリケートな話なんだから!」

「でもねー、こうしてずっと家にいるとやっぱ恋しくなりますよ。『イベント』そう、『同人誌即売会』がね」

「ぼくら結構オタクでやらしてもらってますけど、確かにね。最近はweb上で気軽に同人誌即売会が開けたりもするけど、やっぱりイベントに行きたいよね」

「そうなんですよ。web即売会もいいんですけど、どうしてもweb即売会だと『目的の本やサークルさんだけ』を見て帰ってしまいがちなんですよね。わりと自分、同人誌即売会でフラっと普段行かないジャンルに入って、絵が気に入ったな~とか。このサークルさん雰囲気いいな~。って所を覗いて。そういう所で出会った同人誌の中でもいくつかね。大切にさせてもらってるモノもあるんですよ」

「あー、わかるわ。同人誌即売会、イベントの空気感ってあるよね。今回目的じゃなかったけど、昔好きだったゲームジャンルの本とか。チェックしてた訳じゃないけど『こんな同人誌作ってる人いるんだ!』って本とかね。オリジナルのグッズとかも可愛い奴結構ありますからね」

「あー、話してたらイベント出たくなったわ~……なぁ、おまえさ。イベントで本を出してるサークル主さんやってくれん? 俺はそこでファンとして買いに来る人やるから」

「なるほど、俺がサークル主兼売り子の一人サークルやるから、おまえがそこのファンである参加者をやるって事だな」

以前からTwitterでおまえのアカウントと相互フォローしてて、お互いのジャンルはちょっと違うんだけどフェチズムだけは全部知ってるみたいな関係で頼むわ」

「リアルなやつ! リアルなTwitterの奴! まぁいいや、やりましょうか。じゃ、こっちサークルで新刊準備してますんで。あなたはそれを買いに来た参加者さんで」

「OKはじめましょうか!」

「はー、誰も買ってくれないかと心配だったけど思ったより手にとってくれる人がいて安心したわ。やっぱりゲームジャンルは一定数、小説本も買ってくれる人がいて有りがたいなぁ。pix○vでサンプル少し長めに出しておいたのも功を奏したかもしれん……」

「きゃ~~~~! 『バナナは皮まで食べる系』 ゴリ川先生~!

「それが俺のサークル名なの!? って俺ゴリ川なの!? まぁ、ゴリラは本当は優しい生き物だと聞いてますから別にいいですけど……はい、ゴリ川です」

「私、ゴリ川さんのアカウントをフォローしているファンなんです!」

「本当ですか、ありがとうございます! ……いや、こうしてSNSでつながってる人が本当に来てくれるって、嬉しいですね。 あ、そうなんですか!? 失礼ですけど、HN教えていただければ……」

「さて、私は誰でしょ~?」

一気にめんどくさい奴になった! いや、おまえが誰だとかそういうのわかる訳ないんだよ! 俺のSNSの9割はアニメアイコンだし、そのアニメアイコンもキュ○ベイだったりモノレカーだったりで人間じゃない奴の方が圧倒的に多いから、三次元で顕在化したおまえは誰だかわかりません! アイコン胸に貼っておいて欲しい!」

「ヒントは、最近ゴリ川さんがブロックしたアカウント!」

しかもヒント答えづらい! 最近ブロックしたアカウントってしかも自分のグッズに公式のロゴを勝手に入れて作ろうとしたのを注意されたら逆ギレして『注意されたから売れなくなりました!』とか言い出して大炎上してた人だろ!? 関わりたくないわ~」

「あ、これ差し入れです~」

「あ、ありがとうございます~。綺麗なパッケージで、何ですか?」

「いかんものバチバチに入れておいた手作りクッキーです!」

差し入れに手作りはホントにダメ! 食品衛生上にも社会通念的にもホントだめ! 何が入ってるかわからんものを食べるの怖いし、かといってなまじ手作りだから捨てるのも申し訳ないやつ!」

「法的な問題はクリアしてますが、美味しいけどちょっと毒素の強い野草をふんだんに使ってます!」

アクセントの毒素の強い野草は1枚食べただけで致死量なのよ! ゼッタイにトリカブトか何か! 日本古来から存在する、普通に入れたらいけないタイプのやつ!」

「あ、あと前の本が良かったので、これ本の感想が入ったファンレターです」

「前の本、買っていただけたんですかありがとうございます~」

「はい、メノレカリで!」

「通販に二次創作同人誌を出すのも買うのもやめてー! メノレカリで同人誌買われたってこっちは一円も入ってこないし、何なら今俺のところで在庫切れの本は一冊もないから!」

「ファンレター、受け取ってください!」

「すっごい複雑なファンレターなんだけど…… しかも中身なんだこれ! 黒い手形に『おまえを見ている』って書いてあるし! スカイリムの闇の一党じゃないですか! 実質殺害予告でしょこんなの!?」

「この3人の中から誰を殺す?」

誰を殺すじゃないよ全員殺しておまえも殺して武器をとる! というか流石にこのファンレターはちょっと困りますし、ブロックして正解だったなって思ってます!」

「あ、実はその時買った本に感想を直接書いてきたんですよ」

「えっ。あー、自分あんまり自分の本に感想を書き込みされてもってこられるの好きじゃないんですよ……何かこう、自分が頑張って作った本が汚されて帰ってきた、みたいな悲しさ? 抱いちゃうんで……」

「えっ!? ネットでは『本に感想書き込みされるの嬉しい』って人がいっぱいいるんですよ!?」

ネットの多数意見じゃなく、実際に感想を渡す相手の意見をどうぞ尊重してくださーい! ネットで多数派・少数派を推し量るより、『誰に感想を言いたいか』『誰に喜んで欲しいか』みたいなのが大事だと僕は思いますけどね!?」

「でも、せっかく書いてきたんで……」

「そんなら、一応頂いておきます……開けていいですか?」

「はい、すぐ読んでみてください!」

「えーと……『漢字変換間違い』『読み仮名が違います』『この……はくどいと思います』 って、全部ただの校正じゃないかーい!

「それだけ誤字、脱字、誤用とかあるのに本にするとか正気じゃないと思います」

「うるさいな! この小説だって120pあるからどうしても一人だけでは校正しきらんけど、これでも精一杯直しているんじゃ~! 文章読み上げ機能をつかって必死で直しても、誤字って直しても直しても生まれてくるもんなんじゃ~!

「こんな本を出すとか、ゴリ川さん同人誌つくるの向いてないと思います!」

「そんな細かい指摘ばっかりするおまえの方が同人誌楽しむのに向いてないわ!」

「それじゃ、私そろそろ失礼しま~す、長々とすいませんでした!」

「本当にここ30分くらい陣取ってましたよね!? ってか、新刊とかあるんですけど買わないんですか」

「あ、はい! 挨拶と差し入れにきただけなんで」

「本買わない癖にスペース来たんかーーーーーーい!」

新刊はメノレカリで買います! それじゃ~、またSNSで!」

「もう来なくていい! 来ないでください! SNSもブロックしておきますからね~!」

「はい、どうもありがとうございました」

「全然ありがとうじゃないんだよ!」


同人誌即売会。
早く安心して参加できるようになりたいですが、一方的にいろいろぶつけていく変な人にはならないようにしていきましょう!

※メノレカリでも最近は二次創作本を売らないようになってきたようですね。同人誌はしかるべき場所で売るか処分してください。

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