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エセエッセイスト

本を読むのが好きだった。

幼稚園から小学校へ上がる春休みに、近くのお寺の和尚さんだったかが本をプレゼントしてくれた。
それまで読んでいたような絵がメインの本ではなく、ページいっぱいに縦書きの字が並んでいる、挿絵は数ページに一枚ほどしかないような、絵本ではなくいわゆる本っていう感じの本だ。

3月から4月のはじめ、奈良のかなりの山奥にある私の実家周りにも春が訪れ、積もった雪が溶けて剥き出しになった地面から土筆とか蕗の薹とかがむっくりと顔を出していた。
記憶が曖昧だが、その頃私は膝の裏にガングリオンというコブ状の腫瘤ができてそれを取る手術をしたばかりだった。外の世界は暖かい日差しに包まれ、春を謳歌する鳥の声で賑やかだったが、手術あとの縫い跡が痛むのもあって(膝の裏は繊細なのだ)、外で元気に遊ぶ気分にならなかった。
そんなこともあってその休みの間、ずっとこたつに寝転び、ぬくぬくとたぶんひらがなばかりだったであろうその本を何回も読んだ。それが私の活字との出会い。


エッセイが好きだ。

小説ももちろん好きだが、それよりも小説家や全く別のジャンルの人が書くエッセイの方により惹かれる。
エッセイにはその人の考え方やひととなり、生まれ育ったバックボーンが滲み出てくる。決められた字数の中で、うまく話をまとめる知性とかもちろんユーモアも必要だ。
ユーモアのないエッセイはただの自己完結の日記。下手な歌手がただ歌ってるだけのオリジナリティのないカバーソングと同じぐらい意味がない。カバーするなら本家を超える気でやれよ!カラオケかよ!


話を戻します…

そんなわけで、
こうやって時々文章書いていきますが、たぶんおそらくそれほどユーモアは持ち合わせていない。

そんな私はエッセイストではなく、
つまらないニセモノ・・・
似非(エセ)・・・
そうエセエッセイストです!!

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