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歴史と未来の近距離恋愛ができる場所。品川宿生活が楽しかった件。

下北沢プチ移住、高円寺生活、ともともと東京在住なんだけど、住んだことない街に少しずつ住んでみるという試みをやっている。今回は3泊4日のミニバージョンだが品川宿に行ってみた。品川宿ってのは品川じゃないわけ?とかまあ色々疑問を持つ人もいるんだろうけど、いわゆる港区高輪にある品川駅じゃなくて、品川区北品川にある北品川のあたり。品川駅から南へ10分くらい行ったあたりだ(あーややこし)。もちろん初めて行く場所ではないわけだけど、カバーのような風景があのスーパーターミナル品川から徒歩圏で広がるってなんとも不思議で、楽しいのだ。

で、品川宿っていったいどこですか。

品川というのはもともと宿場町。東海道五十三次でいえば日本橋の次の最初の宿場町なのである。京浜急行の北品川から立会川の近く、鈴ヶ森刑場跡くらいまでの間が「旧東海道」となっていて、元々の東海道の宿場町なのだ。今の第一京浜とは別ののどかな道が続いている。特に北品川から青物横丁あたりに史跡は多い。

とはいえ、「品川駅」ってもんがあの場所にできて、新幹線まで通って有名になっちゃったもんだからいかんのだ。あれは港区高輪。最近「高輪ゲートウェイ」って駅ができてその駅名の○○さに(以下省略)だったわけだけど、品川駅を高輪駅にしておけば誰も混乱しなかったと思う今日この頃。

まあ、それはさておき、今みんなが品川駅の新幹線ホームに着いて、すごいビル群って思うのはだいたい港区港南側の話。最近の埋立地だ。だいたいJRの線路から東側は明治以降の埋立地と思って良いらしい。品川駅から線路沿いに南に行き、「八ツ山橋」を越えると一気に昭和の雰囲気を残した商店街になるのだ。

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さて今回お世話になったのは「ゲストハウス品川宿」。私が使っているHafHという定額宿泊サービスで泊まれることもあって、余計な出費をしないで済んだ(笑)本当にホスピタリティ溢れるスタッフの方々、ユニークなお客さんたち、快適でちゃんと作業もしやすい個室(椅子も机もあって、電源がマルチで使いやすい!!)と揃っていて、非常に快適な毎日を過ごすことができた。

余談だが最近泊まって素晴らしかった神戸の「ゲストハウスMAYA」や長野県須坂市の「ゲストハウス蔵」もここのスタッフ出身の方がやっている。品川宿出身者がやっている宿はまず間違いない。

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歴史的な場所にワープ!

この辺りの何が好きってやはり水辺が近いこと。屋形船も多くて、ここがあの大都会東京ですか?って思うくらいの懐かしい風景が広がっている。まあうちの近くも似たようなもんだけどね(笑)やっぱり水辺があるって良い。昔はこのあたりが港だったそうな。幕末には志士たちが集まった場所などもあって、今の大河ドラマで出てきている人たちもこのあたりで会議してたというのは感慨深い。

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あと、商店街が商店街としてちゃんと成り立っているのも良い。八百屋さんや魚屋さんというのがちゃんとある。もちろんマルエツとかまいばすけっととかのスーパーもあるのだけど(都会の常として大きめのスーパーはない)、ちゃんと生鮮食品のお店が元気でにぎわっているのって良いなあと思う。

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商店街の中にお寺もあったりする。この後のまちあるきツアーでも神社仏閣はたくさん出てくるけど、商店街の中にある一心寺は凛としたスポットだ。

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近未来ゾーンにワープ!

で、このあたりが前に暮らした下北沢や高円寺と違うのは、近未来的ベイサイドの風景が一瞬にして開けること。前回「超高層ビルのない都会が好きだ」とか言っておいてなんですが、前言撤回(笑)見るのは好きです。

新東海橋のあたりから急激に湾岸の風景が開けて天王洲に。片側3車線とかも東京の西側ではあまりお目にかかれない光景、最近開発された場所ならではだ。

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とはいっても天王洲のあたりももう開発されて30年くらいになるのだから恐ろしいものである。若い時分にはあこがれのデートスポットだった寺田倉庫のレストラン、T.Y.HARBOR。東京発のクラフトビールの先駆けだ。友達の結婚式で3回くらい行ったけど広くてフォトジェニックだから今でも大人気。

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ちょうど酒類提供禁止の期間だったので中では飲めなかったけど、テイクアウトでは飲んだ。安心の味である。

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夜はこんな感じになる。ロマンティック!

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天王洲の手前あたり、本当にオフィスビルの1FにNOG COFFEE ROASTERS品川がある。建築事務所の一部が店舗になっているらしく、建築関係の本を読みながらおいしいコーヒーが飲める場所だ。インテリアもめっちゃオシャレですっかり気に入った。品川駅に行くより圧倒的におすすめである。

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個人的には超高層マンションに住むとかいうのはちょっと疲れる気がするのだけど、徒歩でオシャレエリアにアクセスできるってのはそれはそれで良いものだなと思う。橋を渡ると景色が違うっていうこの切り替え感も良い。

銭湯はどうだったのか問題

長い期間暮らすとなると銭湯の有無がQOLを大きく左右する。東京の城南地区は黒湯の温泉が湧くこともあって銭湯は豊富な地域なのだが、このあたりはそれほど数があるというわけではない。立派なビル銭湯(八丁堀の湊湯の姉妹店)天神湯さんが徒歩圏内にある。ここはとても良い。のだが夕方から夜営業だけなので、今回はバタバタしていて行きそびれてしまった。

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どうしても朝風呂に入りたかったので、朝からやっている戸越銀座温泉に行ってきたのだが、2キロちょっと歩くので必ずしもおすすめはしない(笑)暑かったので帰りはバスで帰ってきてしまった。

まちあるきツアー、ありがたし!

そうそう、今回なぜこの地域に行ったのかといえば、お友達がこのあたりで地域活動をしており、まちあるきツアーをやることになったから。本当は落語会&まちあるきツアーだったので、「そこまで楽しんだら帰るの面倒だから泊ってしまえ」ということだったのだが、落語会は結局延期になってしまってまちあるきツアーのみ参加。でもこれが実にありがたかった。

ほとんどの人が地元民というツアーなので、品川区の観光ガイドさんについて、少人数で地元をしっかり深く掘り下げる企画。八ツ山橋から西に行くと、一気に山。「御殿山」というヒルズの元祖みたいなお屋敷街になる。今でも財閥の社長が住んでいるエリアだ。江戸時代から徳川家の鷹狩りや接待用の御殿があったらしいのだけど、江戸末期に外国公使館ができたことで、ハイカラな場所になったようだ。

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このあたりの鎮守といえば品川神社。実は源頼朝によって創建されたというすごい歴史がある場所。富士塚があって「富士登山」ができるようになっているんです!これが思ったよりハードだった(笑)スニーカーは必須。ちなみに板垣退助のお墓もここにある。

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ガイドしながわの方々による説明はわかりやすく、資料も見せながら歴史や由来を丁寧に説明してくれた。自分もこんなまちあるきのガイドができるようになりたい!

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北品川の鎮守は品川神社、南品川の鎮守は荏原神社だそう。都会の中のりっぱなお社で例年海にお神輿を担ぎ入れるお祭りがあるのですが、去年、今年は中止。一度見てみたい!

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住んだ場所が都になるから困ったもんだ

そんなわけで、今回はカレー屋巡りはそれほどしてないが(宿で作ってもらったりはしたのでそれなりに充実)、水辺に近い感じ、歴史と未来が同居する感じとまたまた気に入ってしまったのだ。実際問題として空港にも新幹線にも近い場所に住みたい自分としては、今の場所でなければ第2候補のすみかとして挙げてもいいくらいである。

毎回プチ移住をするたびにその街が大好きになるのはいいことだが、どこも移住したくなるのは体が1つしかないだけに困ってしまう。どの場所にもすぐにアクセスできるように、都内からは離れないようにしておこう、というくらいだろうか。

最後に、東品川にこんなバーがあった。今の時代に最高の店名だ。まだお休みしているようだが、次はこのお店を訪れたいと思う。

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