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いちやなぎ
2020年9月4日 23:47
私は新幹線に急いで乗り込まなくてはならなかった。何かに駆り立てられるように、焦っていた。なぜ急いでいるのか、なぜ新幹線に乗り込まなくてはいけないのか自分でもよく分からない。ただただ私は目の前の新幹線に乗り込まなくてはいけなくて、そしてもう時間が無かった。発車の警笛が鳴り響いて新幹線はゆっくりと動き出した。嗚呼もう駄目だと思い、立ち止まって呆然と新幹線を虚な目で見つめた。もう少しだったのにと後