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光線が癒すもの
未来に行く夢を見たんだけど、技術が急激に進歩してたから「じゃあ戦争はなかったんだね?」と訊いたらみんな顔を曇らせてしまった。進歩したその技術でまさに戦争中とのことだった。
私は戦争さえなければ技術はもっとずっと進歩するはずと、なぜか信じていたんだけど、振り返ればどうだっただろう。過去現在の、大小さまざまな戦争。それに勝つために生まれた技術。
夢の中で私は、ただ「光線」と呼ばれるその未来では戦争でも使われている技術で、疲れた身体を癒してもらった。その「光線」を浴びると筋肉の凝りをほぐしてくれるらしい。それ以上の便利なことはできない。戦争でも使っているということは、兵士に対してなのかな。その兵士は人なのかな。そもそも兵士は存在しているのかな。何者と何者が戦っているのかな。
いい夢ではなかったんだけど、その未来で見た光線の、透きとおったガラスのような輝きは憶えていたくて、目覚めてもどうにかして自分の部屋にそれを照らそうとした。
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