家人に知れぬよう、書斎にウイスキーを隠している。傍らには本。

首が疲れたところで本を閉じる。
おやすみ、と猫に別れを告げ、眠りにつく。翌朝、運良く目覚めたのなら、二人目の私の一日が始まる。
そうして幾人もの私が起きては死にを繰り返し、ひとつのちいさな命が、一生を終えるのだろう。

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