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一級建築士製図試験_8 《合格のための勉強法》

皆さんこんにちは。

昨年S資格長期クラスでチューターをつとめたYAP(やっぷ)がお送りします。

一級建築士試験勉強中の皆様、お疲れ様です。

ついに学科合格者が製図試験に合流しました。

製図試験過年度組の方々はアドバンテージを最大限に活用できたでしょうか。

学習が順調に進んでいる方も、そうでない方もはたまたこれから製図試験に初挑戦する方にも為になる情報をお伝えします。

今回のテーマは製図試験合格の為の勉強法についてです。

製図試験をこれから初めて受ける方は短期間の学習時間を効率的に使用するためにも、是非読んでみてください。

それでは早速行ってみましょう!

学科合格者の製図試験受験までの期間は2.5ヶ月です。お盆休みまで作図スピードアップのトレーニングをすると実質エスキスのトレーニングは2ヶ月ありません。

短期間の学習時間の中で合格する術は無駄を無くすこと。製図試験受験時にはSNS上に大量な情報が拡散されています。(この情報もその一部)

最初は製図試験が未知の領域でさまざまな情報に手を出してしまいがちです。

私も初年度の年、他校(N学院)の課題をやったり、道具にやたらこだわり色々試したり、エスキスもなかなかやり方を決められず、無駄な時間を費やしたことが不合格の原因だったと考えています。

私の失敗談から導き出した最善の残り2.5ヶ月の使い方をご紹介いたします。

1.課題の復習を徹底して行う

今はSNSで集えばさまざまな人と情報交換が出来、情報過多になってしまう人も毎年見ます。私も受験生の時はその1人でした。

ただ、2年目受験と合格後の長期製図クラスチューターを経験してわかったことがあります。

それは学校の全課題を復習までしっかり出来れば十分本試験に対応できるということです。

他校の課題は実際解くまでする必要は無く、課題文を読んで見たことのない表現について解答例がどのように表現しているか見るだけで十分です。

実際、毎年の本試験を見ていると課題の応用で解けます。S資格に関してしか経験上確信を持って言えませんが、どこの学校も網羅的に課題を作っているので大きくは外していません。

課題を本試験用に応用するには、全課題の解答例のプランを暗記するくらい復習することが大切です。

プランニングが苦手な人は特にこの方法で似た課題に当てはめて解く方が迷いがなくなります。

復習の方法は色々ありますが、私はノートの見開きに1課題をまとめていました。

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自分のプランの分析・ミスの書き込み等をすることでノートの見開き程度にまとめる。

時間をかけて綺麗に描く必要はありません。後から見直したときにぱっと見でわかることが大切です。

どんな課題だったか、何が問われていた課題か、自分のプランがどうだったか、何が良くて何が悪かったか。

時間をかけずに見直しやすい復習を行いましょう。

2.自分の苦手分野を理解して確実に克服する

これは私が初年度の時不合格だった1番の理由です。

意匠設計をやっているので、プランニングに関わる動線計画は得意だったのですが、より良いプランにこだわり、時間を使いすぎました。

勉強しなくてもそこそこできる分野は2.5か月の短い時間の中では自分を信じて勉強時間を極力絞りましょう。

私は設備計画が苦手だったのでそこに1番時間を使うべきでした。

なんとかなると思って勉強せず、案の定本試験で撃沈。。。

遅れながらも不合格がわかってすぐに設備システム図を書き、講師にも見てもらうことで理解を深め、克服しました。

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設備システム図。書くことでシステムの理解が深まった。※後日書き方の記事を公開します。

苦手分野の勉強は時間もかかるし、苦しいですが絶対に見て見ぬふりをしないこと。不合格が近づくだけです。

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過去問の標準解答例の設備システム図を書くことで理解を深めた。

3.課題演習ではひとつでも多くミスをする

昨年長期クラスチューターをしていて受講生に1番伝えたことは課題演習でのミスで絶対に落ち込まないこと。

6.5時間の課題演習が始まると自分では信じられないようなミスを連発します。

講師によっては厳しいことも言われます。グループディスカッションでみんなに見られるので恥ずかしいです。

それでも本試験では無いので問題はありません。

自分のミスの特徴がわかったことを喜んでください。また、次にそのミスをしないように対策を考え、実践してください。

ここが1番大切です。不合格者に多いのが同じミスを繰り返し行ってしまうことです。

また、学校に通学している人は教室内の他の人のミスもひとつでも多く共有しましょう。

たまたまやらなかっただけで気づいていないミスも多くあります。少ない課題数の中では経験していないミスも本試験でやらないように他人のミスも共有していきましょう。

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多くのミスをしても、講師から指摘された部分を復習ノートにまとめることでミスを繰り返さないことが大切。

4.エスキス手順を早めに確立し、同じ方法で繰り返し練習する

1番多くの受験生を悩ませるのが、エスキス手順の確立です。

講師によっては自分のやり方を統一して受講生に指示する場合もあります。

自分に合ったエスキスを探すのも良いですが、色々な方法を試し、最後までやり方が確立できないとエスキスの精度も高まりません。

学校や講師の提示するやり方をベースに自分に合うように多少アレンジするのが1番良いです。

エスキス時間も短縮することが求められますが、必要な検討項目を飛ばしてしまうことが1番やってはいけないことです。

私のエスキス手順も参考までに後日記事としてあげますので、是非ご参考にしてみてください。

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1/400エスキスはとにかく作図しやすいようにわかりやすく書く。

5.要点記述はキーワードだけを確実に覚える

要点記述はなかなか勉強時間が取れず、受験生の不安の種となる部分です。

最近では音声で要点記述を覚える学習が流行しているようですが、私の経験上、聞いただけでは全く記述を書くことができませんでした。

私が実際に記述を書けるようになった学習法はキーワードのみの暗記です。

記述解答例をトレースしたり、読み上げたりする学習が個人的には合っていなかったため、解答例のキーワード(S資格の解答例で太字になっている部分等)だけを赤い下敷きで消えるペン等で隠して、そこだけを覚える練習をしました。

よっぽど文章能力がない人でない限り、課題文に対していくつかのキーワードを覚えているだけで文章が書けます。

一言一句覚える必要はないし、キーワードがしっかりと出せることが、記述問題では大切なのではないでしょうか。

記述学習が上手くいかない方は是非実践してみてください。

6.過去問で課題文に対するリアクションを学ぶ

学科では過去問をひたすらやるのに、製図ではなかなか手が回らない。

毎年2パターンも試験元が出してくれる解答例があるので、最小限の学習でもチェックすることをお勧めします。

特に私がお勧めする学習法は他校の課題確認と同じく、課題文をまず読み、それに対して解答例がどうなっているかを確認します。

余裕があれば解きたいですが、時間の無い中の学習は、しっかりメリットを理解して最適な学習を実践することが大切。

メリット1:課題文に対する「これありなんだ」を的確につかむ

課題文にある表現に対して試験元からこれで良いよが表現されているのが標準解答例です。

単純にどんな表現が出題されるのかを確認し、それに対してどんなリアクションが解答に繋がるか確認します。

「動線に配慮する」であったり、「○○の眺望を確保する」というお決まりのフレーズに対して、少しイレギュラーな解答例も提示されており、試験元からの「これで良い」が伝わってきます。

もちろん全てが今回の本試験に適応出来るとは言えないですが、プランニングのバリエーションが増えることでエスキス能力は向上します。

メリット2:本試験に対する初出題を知る

本試験には毎年初出題の項目があります。初出題の内容がどこかを知るだけでも他の受験生との差は生まれます。

初出題の項目については学校の通学者、独学者問わず全体で余り出来が良くない為、合否にあまり影響しません。

その部分がどこかを試験時間中にわかっているだけで試験に臨む心境は大きく異なります。

上記のメリットを掴むだけでも過去問の勉強をする意味は大いにあります。

また、空間構成を把握したい方は、昨年の本試験の3Dモデルを動画で作成しましたので、こちらを見てみてください。

今後も「一級建築士製図試験」についての情報発信、解説を行っていきます。今回の記事が為になったという方はスキとフォローしていただけると嬉しいです。

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