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113\\\ 呼吸法のたくらみ~*その5


~おなかのあたりに丸い『気のエネルギー』が出来てきました~



このシリーズは続いています。重要なシーンにやってきました。


「呼吸法のたくらみ」とは、いったい「誰が?」おこなっているのでしょう? これを書いているぼく自身、誰か(人間の先生とか)に学んだわけでもなく、どこかの流派のやり方をアレンジしておこなっているわけでもないのです。これはきっと「空気」が教えてくれた呼吸法なのだと思っているのです。


自分の身体にさせていることといえば、ただただ右の空気と左の空気にはさまれたようにつながっているだけ。それをしていれば自然に上空からタテに身体の真ん中に中心軸が通り、タテとヨコがそろって均衡し合っている。それがうまくいっている時の体感といえば、空気の気圧が体内に染み込まれていて、とっても濃厚な状態、というわけです。


身体の中にある空気の濃厚な気圧は、左右から入って来たものです。どんどん入ってくると、身体の中心や末梢にまで、身体のチカラが抜ければ抜けるほど、気圧が行き渡って来ています。この気圧感覚を全身に巡らせてゆくのはとってもいい感じなのです。


ただし、左右からの気圧が入って来るには来るのですが、これは無限に入って来るわけではありません。この体内の気圧を、こんどは方向を変えて、真下の地面に沈めてゆきます。気圧を真下に埋め込ませてゆきます。地中に逃がしてあげるようにします。上空からの空気圧を、真下の地中に。見えない空気の根っこを真下に伸ばすようにです。ちょっと植物的になって来ています。


上空からやってくる気圧は、身体を通じて地面に降りる感じでやって来ているようです。ストーーンと・・・。立っている両足の中間地点を通りぬけて、地球の中心に向けて、それも自然に、降りて来ています。これは左右均等に身体のチカラを抜いていれば、自然に空気の側でやってくれます。


ずっと書いてきました、左右からやって来る気圧のことや、上空から降りて来ている気圧のことは、これは人間の持っている能力や技法の結果ではありません。もともと空気や地面の持っている法則です。その法則にちょっとだけ人間の側で関わっているだけなのです。


人間の側でやっていることと言えば・・・? そうです。身体のチカラを抜くだけです。身体にチカラを入れて反発してしまっていると、この法則を受け入れないことになります。


左右からの空気の気圧に浸透されながら、空からの空気の気圧が身体を通り抜けて地中に沈んでゆく。それにまかせてゆきましょう。ずっと、ね。そしてある一定量を過ぎると、今度は、地中から反動で、下から上に揚がって来るエネルギーを感じることになります。反動の反作用の法則でしょうか。


たとえば、プールの中で、空気の入った浮き輪なんかを水中に沈めると、水中から上に揚がろうとしてきます。それと同じような感じのものが、真下の地中からも感じたりいたします(実際は水中の浮き輪よりはぜんぜん弱いチカラですが)。ちょっと浮力感です。ぼくはこれを「浮き身」と呼んでいます。


この、地中から浮いてくるチカラを身体の中に呼びこんでみます。お腹側と腰側の間のあたりに、呼びこんでみます。気のトレーニングの世界で言われている「丹田」というところですね。ここは『気のエネルギー』を養う場所なのです。


地中から揚がって来るエネルギー(浮力なのか揚力なのか)を、この場所で受け止めて保っているのは気持ちいいものです。ぽかぽかと。


腹を据えるとか、気合を入れるという感じではありません。ちょっと浮いている感じ。固まらずに、揺れているような感じです。丸い風船でも入っているかのようです。ちょっと母性的です。形は「丸いエネルギーボール」のように感じます。でも、チカラを込めてしまうと、固まって消えてしまいそうなのです。


この腰とお腹の間にやって来た丸いエネルギーのボールを大切に養い続けてゆけることが『気のエネルギー』のトレーニングなのです。(続きます~)


「呼吸」のつくり方。

しらのゆきひと///呼吸のデザイナー

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