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水無月 食べれんかったなあ

ひさしぶりに めまいにやられた。

土曜日の夜に、ちょっと不穏な気配があり、早めにお布団に。

でも、5時間以上は眠れないので、結局朝早くに目が覚めてしまう。

なんとか 起き出してみると、少々頭はぐらつくものの、動けるじゃないか。

よしよし。

今日は、久しぶりのランチの予定。

優しい和食のお店。

加茂なすの揚げびたしと、蒸し野菜とだしまきなどなど。
ほっこりしそうなメニュー表を、ネットで検索していたので、
どれにしようか、ぐるぐる頭で考える。

いや、ぐるぐるしてるやん。
ぐらっとしてるやん。

こんなんで食べられるんか。


身体の調子が悪い時に、実家の母がいつも言っていた。

人には、食いぢからっていうものがあるねん。
食べられるうちは、大丈夫やし、
食べられへん時にも、無理して食べたら、それが食いぢからになって、
元気になるねん。

まあまあ、無理がある話やとは思うけど、
小さいころから、ずっと刷り込まれてきたから、
私の中では、体調の悪い時ほど、食べようとする自分がいる。

ゆっくり食べてたら、ちょっとやばくなるので、
一息に、食べてしまうのである。

食べることで、わたしの身体は、いつもの調子を思い出すんとちゃうか。

そんなことを思っている。


実際、この朝も、お腹はへっていた。

さんざんウダウダした後に、大好きなパンドミーを焼く。

そこに、ニホンミツバチの蜂蜜をかける。

コーヒーは、うんと薄めに。

タンパク質を食べる元気は、さすがにない。
野菜もいらない。

あかんやろ。

でも、美味しくパンドミーを食せたのが嬉しい。

最後の一口を食べ終わって、目を閉じて余韻を味わう。

そのまま、そろりそろりと立ち上がり、ソファにゆっくりと倒れ込む。


あかんかったわ。

食いぢからは、どうも活躍してくれへんようやわ。

頭の中で、ぐるりって音がしてる。

こんなんで、よく、パンドミーが胃におさまってくれてるわ。

いや。
こんなに美味しいんやから、絶対にリバースなんてことにはしない。
むりやり食べたことによって、よりぐるりがきつくなったなんてことは、絶対に認めない。


せやけど。

せやけど。

今日のランチは無理やなあ。

バスと電車と地下鉄とを乗り継いで、現地にたどり着くのは至難のわざ。

わたしの腸の状態に合わせて、お店を選んでくれたであろう友人には、ただただ申し訳ない。


加茂なすと蒸し野菜とだしまきにも、たいへん申し訳ない。

ドタキャンって したくないよなあ。


そういうこともあるって

と、横で夫は言ってるけど、
そういうことが
これから増えていきそうな気がする。

嫌やなあ。


こういう時は、病状がすぐれない友人からの、メッセージの返信がないことが、いつも以上に気になる。

仕事が忙しすぎて、元気が落ちてる友人が、ちゃんとご飯を食べているのかが、なんや気になる。

随分と連絡をとっていない、離れたところに住む妹のことが、えらく気になる。


あかん あかん。

どんどん、気持ちが急降下。

今日は、6月30日。
水無月を食べなあかん日やのに。

出かける予定やったから、帰りに「仙太郎」さんの水無月を買って帰るつもりやったのに。

きっと、それが、できへんかったんがあかんのやわ。

やっぱり、ちゃんと水無月を食べなあかんなあ。


とにかく、まずは、体調が戻ったら、水無月を買いに行こ。

それから、みんなのことを考えることにしよ。

わたしは、抹茶味。


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