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通勤訓練を始めるまでの葛藤と初日のこと

通勤訓練3日目を終え、ホッとしている。
正直なところ、万全の準備をして、という訳ではなく、自主的に通勤訓練を行っている時に勤務時間前に会社に到着したのは1回だけだったけれど、1回行けた時点で「できる!」という確信よりは、「やると決めない限りは『できるようになる日』を待っていてもその日は来ないな」と感じたので、もう自分で決めるしかないなと思って決めた。

また、私が自主練(自主的な通勤訓練)をやめて、正式なものに切り替えようと思ったのは、実は自主練は、会社の前まで行ってすぐ帰ってくる必要があり、逆に体力を消耗するのである。

会社の中に入って、上司や同僚に会うというプレッシャーがない代わりに、会社の前に着いたらそのまま踵を返してまた会社最寄り駅に向かい、そのまま戻りの電車に乗る必要があった。ただでさえ行きの電車で疲れているのに、それがとても疲れる作業だった。しかも、私の職場の始業時間は平均的な他の職場より早いため、そうすると私が戻る時、平均的な始業時間に通勤する人のラッシュ直撃となるため、ホームが人でごった返しているため、1回で電車に乗ることができず、それもまた疲れを倍増させるものだった。

そのため、会社の前に着いて戻る前(私はそのままリワークに行っていた)にカフェに寄って休憩していたのだけど、休んでいたここ数年の物価高でカフェ代も値上がりしており、その小銭も馬鹿にならなかった。当然のことなのだけど、通勤訓練のための電車代も自腹で出費がかさんでいるなかでカフェ代までかかることとなり「なんでこんなことで自腹切らなきゃならないんだよ。」と勝手にモヤモヤしていた。

そこで「もうこれ、会社に行っちゃった方が椅子座れて休めるし、お金かからないよね!?行くって言ったら行くしかなくなるし。」という気持ちになった。

ただ、一つ問題が。管理職の上司とは1月に面談をしたときに、思いのほか話を聞いてくれ、寄り添ってくれる姿勢を感じていたので、管理職の上司に対する嫌悪感は和らいでいたものの、(私の中で一番の原因となっている)私をいじめていた人が4月に異動するとわかっていたので、異動するならなおさらその人に会うことなく、4月になってから安心して通勤訓練を始めたい気持ちがあった。

また、このタイミングで通勤訓練を初めると最短で5月の復職になるから、6月復帰を目指すことにしてGWもゆっくり休んで帰省したい気持ちもあったけど、1回で会社から復職の許可が出るかもわからないし、それが出ないと1か月分の生活費の工面すら難しくなり、クレジットカードで払えるものは何とかなるものの、家賃など現金で払わなければならないものは払えるかどうかかなり怪しかったため、そのリスクヘッジもあって、決めた。

私の場合、カフェ代が勿体ないとか、お金がなくなって家賃払えなくなったらどうしようとか、結局動機はお金で、こんな長い期間休んで自分と向き合った結果それ?って感じだけど、以前の私だとお金<とにかく休みたい、だったので、お金を理由にしても働こうという気持ちになったので、回復したのだろうと思った。

あとは、最近、本田健さんの年間オンライン講座を受け始め、いずれは独立して仕事をしていきたいという目標ができたこと、また、講座で似たような目標を持っている仲間に出会えたことから、ただ闇雲に定年まで働くのではなく、独立のためにはお金が必要で、私の場合にはその前に借金を返す必要もあるので(サラッと言ってみたw)、そういう小さな目標もでき、そのために働こうという気持ちになったのも大きい。

結局お金かよ、って感じだけど、お金が目的なのではなく、お金の先にある目的のため、なので、自分では違うと思っている。

当たり前の話だけど、通勤訓練をするということは復帰するということになり(いや、会社に籍を残しているということは復帰前提なんだったw)、通勤訓練を始めてしまったら、またもとの早起きして仕事に忙殺される生活に戻ってしまうという寂しさもすごくあった。ああ、もうあの頃のように、昼間からヨガしたり、行きたいだけライブに行ったりできないのかな、日曜日ライブに行ったら、月曜日は疲れた体で仕事しなきゃいけないのかな、、、などいろんな思考が出てきて、はっきり言って通勤訓練は今もやりたくないし。笑

そんな訳で今月くらいから何となく今月中旬くらいから正式に通勤訓練を始めることになるだろうな~と思っていたけど、宣言してしまうとまた圧がかかる(というか「いつ始めるんですか?」とか「そろそろどうですか?」と聞かれるだけで、圧を感じてしまう(私の脳が))ので、自分の中の決断が揺らがないように、逆に私はリワークの人にも言わないようにしていた。

私が会社に「通勤訓練をしたい」と伝えたのは、今週の月曜日。前の週の金曜日に伝えることもできたけど、そうすると会社から「月曜日から始めたらどうですか?」とか聞かれることも考慮して、あえて週明けの連絡とした。

というのは、日曜日はライブに行く予定が入っていて、早く起きれる自信がなかったし、正直なところ朝ゆっくりしたかったから、というシンプルな理由だ。笑

月曜日に連絡して水曜日から開始だなんでちょっと急かなと思ったけど、会社からは「提出する書類の関係で、とりあえずその週の3日間は連続してこれますか?」ということを聞かれただけだった。私ももともとそのつもりだったし、特に問題はなかった。

その週の月曜日、火曜日は、朝礼に間に合うようにリワーク通所。私の場合、朝スッキリ起きるためには8時間の睡眠が必要なので(これはリワークに通って、就寝時間と起床時間の記録をつけてわかったこと)起きたい時間から遡って8時間前にベッドに入るようにした。

しかし火曜日(正式の通勤訓練本番の前日)は遅い時間にコーヒーを飲んでしまったことと、翌朝起きれなかったらどうしようという若干の不安から、ベッドに入っても寝付けなかった。結局、頓服としてもらっている導入剤を飲んで寝た。

本番当日は緊張もあったのか、予定通り起きることができ、お弁当を作ることを諦めた分、予定より早く家を出ることができた。

電車は幾分か空いていたが、しばらく座ることができず、ほんの2、3駅だけ座ることができたので座った。

ラッシュの電車内はいろいろなクセ強系の人がいて、そっちに意識が持っていかれそうになったけれど、水やコーヒーを飲んだり推しの音楽を聴きながらゲームをやったりして気持ちを紛らせた。

時間に余裕をもって会社の最寄り駅に着いたで、駅ビルの綺麗なトイレにより、身支度を整えて会社まで歩いて向かう。地下から出るとちょうど朝日を浴びることができて気持ち良かった。

そして少しずつ会社に近づいていく。会社の人に会ったらどうふるまってよいかわからずそわそわしていたけれど、休職前と比べて髪型も変わっていたし、マスクもしていたのできっと誰もわからないだろうと言い聞かせて歩いていたけど結局誰にも会わなかった。

会社に到着してIDカードをかざして中に入る。良くも悪くも変わっていない。そしてエレベータに乗ると、以前毎朝会っていた別部署の方がエレベータに乗っていた。別部署の方で言葉を交わしたこともない方だけど、たぶんこの方は私が休んでいる間も毎日こうやってこの時間にエレベーターに乗っていたんだなと思うとなんだかほっとした。

そして私の職場がある階にエレベータが到着した。誰かに会ったらどうしよう(=どう振舞ったら良いのだろう)と少し緊張した。特に私を無視した「あの人」には会いたくない、と、挨拶した時に無視された時の記憶が私の頭の中を反芻した。

そして、エレベーターホールから事務室に向かって歩いていく。事務室前で作業をしているバイトの方に挨拶をしてそのまま「おはようございまーす」と挨拶をして入っていった。入ってすぐの席に座っていた先輩に「お久しぶりです。」と声をかけると「あ、ここに座ってて。」とある席を指された。

その席に向かうと「お久しぶりー。」と声を掛けられたのだけど、それが私の会いたくなかった「あの人」だった。私は咄嗟に「お久しぶりです。」と返した気がするけれど、突然のことで細かいことは覚えていない。

きっとこの人は自分のしたことなんて一つも覚えてないし、申し訳ない気持ちも一つもないんだろうな、と思ったけど、どうせいなくなるんだし、それ以上の義理もないから、そのまま席に着いた。

そうすると、何人かの方が「お久しぶりです。」や「実は今月末で退職するので、その前にお会いできてよかったです。」など、温かい声を掛けてくださった。「あの人」と比較し、これが働く人として普通だよね、と少しのいら立ちも感じていたけど、世界は自分が思っているより優しいかもと思った瞬間でもあった。

私が席で待っている間に上司が出勤してきたので、反射的に立って挨拶をしたけど、通勤訓練だし、まだ復職が決定している訳でもなかったし、不必要にエネルギーを消耗したくなかったので自分から挨拶に行くことはしなかった。

そうしたら、20年くらい前から知っている後輩(彼女は私の休職中に異動してきていた)が私の姿を見つけて、私のところまで来てくれた。「あいうえおさん、お久しぶりです。」「わぁ、〇〇ちゃん、お久しぶり~。」。「○○ちゃん」と「あいうえおさん」と下の名前で呼び合う仲で、若かりし頃は一緒に合コンにも行った仲なので、会った瞬間、私の表情が緩んだのを覚えている。

そうしているうちに朝礼が始まった。休職前と何も変わっていない。朝礼が終わってぽつんと座っていると上司が私のところにやってきて「一応、前日みなさんにはあいうえおさんが通勤訓練で来るから、(負担にならないように)あまり話しかけたりしないようにってお知らせしてたんだけど、各シマには挨拶に行った?」と尋ねたので「いえ、ちょっと勇気がなくて。」と返すと上司が「じゃあ、一緒に回ろうか。」と。30人いるかいないかのそれほど広くない事務室だけれど、一緒に回って「今日から通勤訓練のあいうえおさん。」と紹介してくれた。

既に知っている人の方が多かったけれど、中には初めましての人もいて、挨拶を交わした。割と和やかに言葉を交わせた気がするけど、私が元いたシマは私が緊張していたせいなのか、そこのシマの雰囲気なのか、全く和やかではなかった。笑
一応、シマの全員と目を合わせて会釈をしたけれど。。。したけれど。。。という感じ。

多分これが認知行動療法的に言う、「解釈」なのだろうけど、結局相手がどう思っているかはわからない。実際、同じシマの人たちは誰一人、私のところに声を掛けに来なかったし、それに対して私は少し怒りを覚えたけれど、それはもしかして上司が「あまり話しかけたりしないように」と言ったから先方も配慮してくれたのかもしれないし、何を考えても結局「かもしれない」域は出られないから、考えるのをやめた。でも、仕事だからその距離感でいいんだと思った。

そして最後、後輩がいるシマに行って、一人、会ったことはないけど、SNSでつながっている人がいた。上司が「△△さんは初めましてだよね?」と言ったので「いえ、実は随分前にSNSでメッセージをもらったことがあった気がします。」と私がポロっと言ったけれど、当の本人は覚えておらず、一同笑となり、和やかな雰囲気になった。

そのあと、上司と今後の復職までの流れや健康状態について質問され、終了した。その日は始業時間10分前に着席して、朝礼開始から30分くらい会社にいたと思う。そして、そのままリワークに向かった。そのタイミングでリワークに向かうと、ちょうどリワークの朝礼の時間になる。リワークの見慣れた風景にホッとした自分がいた。

休職した時は、絶対今の会社に戻りたくなくて一日も早く辞めて、この上司の管理下から抜け出したかったし、会社から必要書類の封筒が届くたびに開けるのが怖い自分がいたので、まさか自分が同じ会社の同じ部署に復帰するなんて微塵も思っていなかった。

でも、この2年半、休んだだけでなく、転職活動をしたり、いろいろ動いた結果、8割くらいだけど納得した上で「戻る」という決断をした。

転職したいという気持ちは今もゼロになった訳ではないけれど、通勤訓練で会社に行ってみて、針の筵だと思っていた職場だったはずなのに、思いのほかあたたかく迎えてくれたことがわかり、急に新しい環境に飛び込むよりは、事情をわかっている環境に戻って、少しずつならすというのが私にとっては正解だったのかもしれないな、と前向きな気持ちに変わった気がする。

これを読んでいる方も以前の私のように、一日も早く今の会社を辞めたい、復帰するなんて考えられない、通勤訓練なんてもってのほかと思っている方もたくさんいると思うので、少しでも参考になればという気持ちを込めて。




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