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「解けることのないつながり」ロゴ作者・濵田こころさん㊤

 「社会と宗教をつなぐ」をミッションに掲げる文化時報の創刊100周年を記念したロゴが完成した。すでに紙面の題字下を飾っているほか、2月2~7日に京都市内で開催される「報道写真展」など、記念年の2023(令和5)年を祝うさまざまなシーンで使われる。作者の濵田こころさん=取材当時(19)=は「宗教には、人々に寄り添う柔らかさや親しみやすさがある」と語る。(主筆 小野木康雄、瀧本智美)

 《100周年記念ロゴの制作は、京都芸術デザイン専門学校(大野木啓人校長、京都市左京区)が産学連携の授業の一環として取り組んだ。ビジュアルデザインコース2年の約70人が取り組み、最終プレゼンに残った10案の中から濵田さんの作品が選ばれた》

――このたびはすてきなロゴを作っていただき、ありがとうございました。どのようなコンセプトでデザインされたのですか。

 「人と人をつなぐという意味を込めて、円と組みひもをモチーフにしました。顔のイラストで、文化時報を読んでいる読者の姿を連想できるようにしました。人がいるからこそ自分が存在していること、それから未来を見つめることも表現したいと考えました」

――顔がいろいろな方向を向いていますね。

 「はい。視線の先が違うのは、それぞれ描く道や思いがあるという多様性を表しています。それでも円の中心が固く結ばれていることから、解けることのない人とのつながりの強さを伝えたつもりです」

《22年11月の最終プレゼンでも、濵田さんは多様性のある未来を強調した》

――多様性のある未来は、どうすれば実現できるとお考えですか。

 「お互いが『知る』ことだと思います。普通に生活していても、例えば学校で同じようにデザインを学んでいるのに、全然違う発想や考え方の人がいます。今回の最終プレゼンでも、同じクラスの人たちの発表を聞いて、そのことを実感しました」
 
「『えっ』と思うことがあっても、否定するのではなく、たとえ理解できなくても、知ることができればと思います」

㊥に続く


 濵田こころ(はまだ・こころ)2003(平成15)年1月、滋賀県近江八幡市生まれ。県立八幡高校卒業。京都芸術デザイン専門学校ビジュアルデザインコース2年。好きな絵本は『バムとケロ』シリーズ。