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安易にリノベ団地を買ってはいけない。

 最近、築年数の経っているマンションや団地を購入してリノベーションするのが流行ってますよね。何と言っても物件価格そのものが安いですし、リフォームしたって金額も知れてます。新婚さんは検討もするでしょう。

 無印良品さんの団地リフォームとか、めっちゃ夢あるじゃないですか。

 私もこんな家に住みたくて、築35年の団地を買ってフルリフォームして住んでるんですよ、20年程前から。20年前と言えば表参道ヒルズはまだなくて、当地には同潤会青山アパートが軒を連ねていて。あの雰囲気に憧れつつ田舎の団地を購入して、予算内で気持ちいい空間を手に入れるために、ああしてこうしてと夢を膨らませていたワケです。

 20年経った今、天然木材を使った床や壁などの内装はいいアメ色になってますし、団地独特のゆとりある敷地に植えられた窓から見える木々もいい感じのアクセントになって、とてもリラックスできる空間になってます。


 さて。築50年になる我が団地型マンション、3回目となる大規模修繕工事をどのような内容にするか問題が山積になってます。「大規模修繕工事」とは、建物全体を覆って足場を組んで塗装し直したりする、あの工事です。

 めちゃめちゃザックリした説明をしますと、大体10〜15年に一度、1戸当たり100万円程度、200戸のマンションだと2億円程度掛けて行いますが、我が団地は必要な工事費用の半分程度しか修繕積立金がありません。大規模修繕工事を行うには工事費用を追加で徴収する必要があるのです。

 しかも築50年ですのであらゆるところにガタがきています。幸いなことに躯体コンクリートの中性化はほとんど見られませんでしたが、特に水の溜まりやすいベランダ部はコンクリートに剥がれが見られるだけでなく、手摺などの鉄部は錆びてボロボロになっており、その手摺を固定するアンカー部の躯体にはクラックも見られ危険な状態でもあります。一体幾ら掛かるの?

 その他、ガス管も錆びてガス漏れが年に1件程度見られますし、とっくに更新時期を迎えた汚水枡や汚水排水管には木々の根っこが入り込んで、偶に詰まりの原因となっているにも関わらず更新せず使い続けています。電気容量も足りません。これらの更新も近々検討することとなるでしょう。

 結局、築40〜50年超の建物って取得費用は安くともそれなりに修繕費用が掛かかるよね、ということをお伝えしたく、安易に取得費用が安い=ローンを組んだら賃貸で入居するより月額抑えられるじゃん、なんて理由で購入したら痛い目にあうかもよ、と言いたいワケです。

 もう一ついうと、築40年超の物件なんて、基本的に住んでるの年寄りばかりで若い世代は少ないです。管理組合の役員とかは「若い」というだけでやらされます。少子高齢化、日本の縮図が凝縮された場所が団地です。

 団地が好きだ、どうしても住みたいんだ!という方はURに賃貸での入居をオススメします。安い!と理由だけで購入するのも止めはしませんが、ぶっちゃけババ抜きですよ、どこかのタイミングでの売却も考えておくのが良いかも知れませんね。

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