mania
梅雨だというのによく晴れた日が続いていた。いきなり夏が始まったような気がして、僕はまだついていけてない。蝉がいないよく晴れた夕方は静かで、部屋の中にいると世界から誰もいなくなってしまったかのような気がしてくる。
本当に誰もいなくなってくれればいいのに。もう疲れたんだよ。なにもない空白を見続ける日々に。先行きが見えないまま明日の朝を待つ夜に。
得体の知れない不安を人に伝えたくて言葉を覚えてきたけど、うまく届かなかった。無意味なことだったんだ。結局自分のことは自分にしかわからないし、他人のことなんてわかるはずがない。
なんで君は隣にいてくれるんだい?
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