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知らない色に会える明日


この脳に血が通わなくなる日まで、

もっと色々使いたい。

もっとお話をしたい。

それで誰かと楽しくなって、

人生とかうっかり忘れちゃったりしたい。


ドキドキするリズムで動く、

よその脳みそと電気を投げ合って、

くすぐったくなって笑いたい。


しかしそれらは笑い飛ばされるくらいダサい夢として

この夜にしか存在せず、


明日にも私は道で轢かれた獣のように肉が潰れて、

ただ汚物としてこの世に捨てられてあったらと

恐ろしくなってしまうので、


足がすくんでうずくまり、

来たる明日に怯えて目が閉じられなくなるのでした。


神様だか悪魔だかなんだか分かんないし、

宇宙人でも閻魔大王でもいいけれど、

どうか私に良い脳をお与えください。


脳と脳とは、別々であることに意味があるのでしょう。


別のところで別の回路で別の処理方法で、

それぞれが持ち得た感覚を投げ合って遊ぶのが、

この世のしきたりなのです。


私は一夜で終わり切るゲームなど寂しくてしんどいの。


また遊ぼうねと指切りして、カレンダーに秘密の印を付けて、

次の朝から一人になったって宝探しをしたいのです。


宝の地図を手にしたら、

知らない土地でも勇気が出るの。


そうして涙こらえて彷徨っても、

どこにも辿り着けなかったり、疲れ果てるばかりだったりする。


しかし知らなかった初めての地面に、

知らなかった花に、

知らなかった夕日の色に出会えるの。


それが生きていて楽しい瞬間よ。


なんていうか、脳が喜んでいる感覚なの。


ああだから明日も生きたいよ。

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