第9回 100分de読書会 開催レポート

こんにちは、運営の柚淡です。
この記事は第9回読書会 7月18日 小説フリー回の開催レポートです。
今回は5名の方に参加して頂きました。以下では
 ・名前(HN)
 ・書籍名/作者
 ・あらすじ、内容、感想など
の順に書き表しています。

今回のテーマ
「本を読む時期・出会う時期」

今回の読書会は事前にテーマ設定をしていません。しかし全体の紹介を聞いて各参加者とその紹介本の読んだ時期出会った時期についての話が中心となったので、あと出しながらテーマ設定しました。

本紹介

1.りんご smileさん 
教室に並んだ背表紙/相沢沙呼

とある中学校の女子中学生を中心とした連作短編集。
中学生はそれぞれ独特な生きづらさがあるお年頃。ちょこちょこ共感できる部分がありグッときた。自身の中高の経験と重ねた。作中で中学校の司書さんとお話するシーンが高校生の頃と重ねた。
作家さんはミステリー作家の側面が強い。これを知らなかったので最後の最後にひっくり返された。

短編を見方によっては伏線となり得るようにすることで、短編集の中でトリックを引いている。

2.Ken Mさん 
何者/朝井リョウ

大学3年生の男女の就職活動の話。
「自分で仕事を持つことでの経済的自立」がテーマ
学生の頃は親や先生に進路の道を示してもらえるけれども、就職することによってこれから自分で道を開いていかないといけない。

男性よりも女性の方が強い作品。喧嘩別れによる本音トークが展開される。

男性は他人を客観的見て批評することで自分を保っている人。
彼のそのような状態に対して『アンタだからダメなのよ』の言葉が印象的。

スピンオフ作品は「何様」

3.ちろさん 
若草物語/L・M・オールコット


全四冊。アメリカの南北戦争の北側が舞台で、風と共に去りぬとは逆の舞台設定(こちらは南北戦争南側)。
各章、各巻は時系列順に並んでおり、時系列順に読むのがおすすめ。
四姉妹の日常、家族との関わり、文化的なところが描かれている。

1巻は姉妹が中心(クリスマスの話など)
2巻は成長した姉妹が中心
3巻は姉妹の一人が学校を開く話
4巻は姉妹とその子供たちが中心

1巻でそれぞれの姉妹が夢を語り、各巻を通して最終的にはみんなそれを叶えている。日常生活の失敗などに共感した。

青い鳥文庫、角川文庫の二つのみ全四巻刊行されている。

4.桔梗坂書店さん 
弁護側の証人/小泉喜美子

大どんでん返しのある本。
古い作品なので価値感が現代とはあわないかもしれないが、ミステリーとして非常にいい作品。
主人公ナミコは財閥の御曹司と駆け落ちして玉の輿になる。それに嫉妬した義理の親が殺す。全11章のうちの最後で急に『これ誤植か!?』と思ってしまうくらいに予想を裏切ってくれる。何も考えずに読んで欲しい作品。

5.SachiCafeさん 
水を縫う/寺地はるな

夏に読まれるといい本。
大阪に祖母と住む家族の日常の話。
男の子なのに刺繍が好きな主人公と、かわいいものが苦手なお姉さんと……、普通になれなかった家族がお互い色々と主張し合いながら徐々に寄り添っていく。大筋はお姉さんの結婚式の話。

鍵になる人物
六人目の家族である黒田さん
お父さんの服飾系の同級生。
不器用なお父さんとお母さんの仲介人

テーマは軽くないはずなのにさっぱりとした作品。
この本のめちゃめちゃ重い版が朝井リョウの「性欲」


最後に

最後に、第9回の活動tweetを掲載して終わります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?