見出し画像

バルブシステムとは

今回は、推進薬を燃焼室へと送り出すバルブシステムについてお話しします。

皆さんも、巨大なロケットが火を吹きながら大空へと飛び立っていく姿をテレビなどで見られたことがあると思いますが、どのように大量の推進薬を燃焼室へと供給しているのでしょうか。

以前のブログで液体燃料エンジンについてお話ししましたが、その推進薬の押し出し方法には主にガス押し式とターボ・ポンプ式の2種類があります。

日本の主力ロケットであるH2A、H2Bロケットがターボ・ポンプ式なのに対し、我々の設計しているエンジンではガス押し式を採用しています。

この方式では、液体メタンなどの液体燃料や液体酸素などの酸化剤は超低温状態でタンク内に保存されています。そして、高圧に圧縮されたアルゴンなどのガスをそのタンクに送り込むことにより、タンク内の液体が押され、燃焼室へと送り出されます。機構自体はターボ・ポンプ式よりシンプルであるというメリットがありますが、高圧ガスを溜めておく気蓄器が大きくなるというデメリットがあります。

気蓄器から燃焼室の間には、液体の逆流を防ぐ逆止弁、液体の通行を制御する空圧弁、空圧弁の開閉を制御する電磁弁など様々なパーツがあります。

現在は一連のシステムが正常に作動するか水を使って試験をしている状態で、今後は燃焼試験に向けて部品の選定、設計を進めていきます。

今後の報告にご期待ください。


燃料供給システム担当
住友 亮太 (Ryota Sumitomo)

このプロジェクトの実施には多くの支援が必要となります。私たちの夢に、あなたの力をお貸しください。いただいたサポートは、宇宙へ飛ばすロケットの製作費に使わせていただきます。